著者 : ユニモン
高校に入ってまもなく、ちょっとした一言で友達関係に“失敗”してしまった彩葉。もう、すべてが終わりだ…そう思ったとき、同級生の天宮くんに出会う。彼は、かっこよくて女子から注目されているけれど、ちょっと変わっている。写真部に誘われ、一緒に花火を見たり、公園の噴水にはしゃいだり、ふたりきりでお昼休みをすごしたり…マイペースな彼に影響されて、だんだん自由になっていく彩葉。しかし彼は、秘密と悲しみを抱えていた。大切な存在になっていた彼が消えてしまったとき、彩葉は…。苦しくて切なくて、喜びに満ちている。そんな希望の物語。
午後九時すぎ、塾からの帰り道。学校では優等生で優しい人物を演じ続けている高校生の雨月は、橋の上で真っ暗な夜空を見上げながら、「死にたい」と呟いていた。不注意で落ちそうになったところを、同じ電車でよく見かけていた他校の男子・冬夜に助けられる。心の中を簡単に見透かしてくる美しい彼に、最初は苦手意識を持つけれど、じつは彼もまた生きる理由を見出せずにいた。そして、冬夜から「“死にたがりこじらせ部”を作らない?」と提案される。死にたがりの自分を大事にできるように、二人は夜にだけ会う約束を交わし、少しずつ心を通わせていった。しかし、ある出来事がきっかけで、突然冬夜が目の前から消えてしまう。そこには、悲しすぎる壮絶な理由が隠されていた。「約束して、もうひとりで泣かないって」-悲しい過去と孤独な夜が二人を繋ぐ、奇跡と希望の物語。
幼い頃に父を失い、家族を支えながら過ごしている高二の真菜。あるとき、友達とのトラブルがきっかけで過呼吸になったところを、同じクラスの桜人に助けられる。冷たく近寄りがたい存在だった桜人に『自分を偽ってまで、友達と一緒にいる必要ないだろ』と言われ最初は戸惑うが、何度も彼に救われるようになってから、真菜の世界は変わり始めた。桜人と同じ文芸部に入ると、彼の美しい文章を読んでますます彼を知りたくなっていく。しかし、桜人が真菜を助けたいと思う気持ちには、ある悲しい過去が関係していたー。『真菜の泣いてる顔は、もう見たくないんだ』隠された切ない想いに、涙が止まらない!切なくも優しい、感動ストーリー。