著者 : ユーディト・W・タシュラー
謎めく敵意。食い違う過去。彼女は何を知っている? オーストリアの田舎に暮らす、カンボジア移民のキム。その誕生日の祝いの席に突然現れた女性は、少年の頃にポル・ポト政権下のカンボジアを共に逃れた妹のような存在であり、同時にキムが最も会いたくない人物だった……。 かつての過酷な日々に、いったい何が起こったのか? 『国語教師』でドイツ推理作家協会賞を受賞した著者による、最新文芸長編。 【著者プロフィール】 ユーディト・W・タシュラー 1970年、オーストリアのリンツに生まれ、同ミュールフィアテルに育つ。 外国での滞在やさまざまな職を経て大学に進学、ドイツ語圏文学と歴史を専攻する。 2011年『Sommer wie Winter(夏も冬も)』で小説家デビューし、現在は専業作家として家族とともにインスブルック在住。2014年に『国語教師』がフリードリヒ・グラウザー賞(ドイツ推理作家協会賞)を受賞した。 その後も精力的に執筆を続けており、本書は邦訳2作目にあたる。 【訳者プロフィール】 浅井晶子(あさい・しょうこ) 1973年大阪府生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位認定退学。2003年マックス・ダウテンダイ翻訳賞受賞。 主な訳書にパスカル・メルシエ『リスボンへの夜行列車』、イリヤ・トロヤノフ『世界収集家』(以上早川書房)、トーマス・マン『トニオ・クレーガー』(光文社古典新訳文庫)、エマヌエル・ベルクマン『トリック』、ローベルト・ゼーターラー『ある一生』(以上新潮クレスト・ブックス)、ユーディト・W・タシュラー『国語教師』(集英社)ほか多数。
< ドイツ推理作家協会賞受賞作 > 女は国語教師。男は有名作家。 再会したふたりが紡ぐ〈物語〉は、あの忌まわしい過去に辿り着くーー 16年ぶりに偶然再会した元恋人たちは、かつてのように物語を創作して披露し合う。 作家のクサヴァーは、自らの祖父をモデルにした一代記を語った。 国語教師のマティルダは、若い男を軟禁する女の話を語った。 しかしこの戯れが、あの暗い過去の事件へとふたりをいざなってゆく……。 物語に魅了された彼らの人生を問う、フリードリヒ・グラウザー賞(ドイツ推理作家協会賞)受賞作。 【著者略歴】 ユーディト ・ W ・ タシュラー 1970年、オーストリアのリンツに生まれ、同ミュールフィアテルで育つ。外国での滞在やいくつかの職を経て大学に進学、ドイツ語圏文学と歴史を専攻する。家族とともにインスブルック在住。国語教師として働く。2011年『 Sommer wie Winter (夏も冬も)』で小説家デビュー。現在は専業作家。2013年に発表された『国語教師』(原書タイトル Die Deutschlehrerin )は2014年度のフリードリヒ・グラウザー賞(ドイツ推理作家協会賞)長編賞を受賞した。 【訳者略歴】 浅井晶子( あさい ・ しょうこ ) 1973年大阪府生まれ。京都大学大学院博士課程単位認定退学。2003年マックス・ダウテンダイ翻訳賞受賞。主な訳書にパスカル・メルシエ『リスボンへの夜行列車』、イリヤ・トロヤノフ『世界収集家』(以上早川書房)、カロリン・エムケ『憎しみに抗って』(みすず書房)、トーマス・マン『トニオ・クレーガー』(光文社古典新訳文庫)、エマヌエル・ベルクマン『トリック』(新潮クレスト・ブックス)ほか多数。