著者 : リチャード・ナッサー
君を探してミッドナイト(上)君を探してミッドナイト(上)
もともと人生が美しいものとは思っていなかった。だが、ドラッグ浸けの毎日がたたり、療養生活を余儀なくされた私に届いた知らせほど、そんな思いを強くさせる現実はなかった。ラテン系のオカマの世界を撮っていた女カメラマンが、麻薬の服用過多で死んだという。しかし、彼女は私の恋人で、麻薬に手を出すことなどありえない。かくて、私、新聞記者ダレノーは闇の彼方の真相を求めて夜のマンハッタンをさまよい始める。新鋭のセンチメンタル・ハードボイルド。
君を探してミッドナイト(下)君を探してミッドナイト(下)
女カメラマン、デニースの死体が見つかった朝、同様に麻薬の服用過多でヒスパニック系のゲイの若者が死んでいた。若者は死ぬ前にエスメラルダという金持ちの女と一緒だった。しかも、デニースの手紙にもその女の名が出てきていた。新聞記者の私は、鍵をにぎる謎の女の行方を追う一方、若者と繋がりのある銀行家一族の中に足を踏み入れていく。チャンドラーの衣鉢を継ぐ新鋭が鮮烈な感性でアメリカ社会の裏側を描く大作。
PREV1NEXT