著者 : リチャード・P.ヘンリック
米ソの雪融けを迎えて、両国の指導者は平和サミットを開こうとしていた。その一方、頑ななソ連保守派は両国の新たな関係を阻止するべく、〈カウンター・フォース〉作戦を展開。北太平洋上から、サミット開催中のロサンゼルスとアメリカ全土へ核攻撃をしかけようと最新鋭原潜ブルカンを派遣した。陰謀に気づいたソ連書記長は米大統領に協力を要請。米大統領トライトンが現場に急行するが…。
ソ連大統領を乗せた特別機が北極上空で謎の爆発。米海軍原潜〈ディファイアンス〉は、急拠墜落現場への出動を命じられる。一方、ソ連軍強硬派の中心人物ミハイル・ハリコフ海軍元帥は、大統領機の墜落は米国の謀略によると主張。ブラック・ボックスを回収し、米国に核の報復をすべく、最新鋭原潜〈ネヴァ〉で北極に向かう。厳寒の海を舞台に、米ソ両超大国のパワー・ゲームが展開される。
アメリカとソ連首脳の平和サミットが間近に迫る頃、一隻の中国の原子力潜水艦がひそかにハワイ沖へ向けて出発した。彼らを派遣した将官が目論むのは世界制覇。そのためにサミット初日に米ソ両国をミサイル攻撃して第三次大戦を誘発させるのが艦の使命だつた。情報を察知した米海軍は未曽有の破局を回避すべく、ソ連に協力を要請するが…。深海に展開する米・ソ・中原潜の死闘。ハイテクの粋を駆使して描く軍事スリラーの傑作。
作戦名『大天使』。目標は北米大陸。命令書を見たソ連原潜『レッドスター』の艦長コルサコフは、北大西洋の海底で目を疑った。自分に人類破滅の引金を引けというのか。それを救う道はただ一つ、対峙する米潜水艦『インデペンデンス』と協力することだった。そのころ、異常に気づいたクレムリンは『レッドスター』の撃沈を目論んでいた。懸命の努力を続けるコルサコフの頭上に、いまた敵となったソ連艦隊が忍び寄る…。
ソ連書記長が何者かに暗殺されたために、クレムリン内部では一挙に権力闘争が開始された。米国との関係をこれまで以上に緊密にすべきだと主張する和平派と、書記長暗殺は米国の謀略だから断固報復すべしとする強硬派に、クレムリンが二分されたのだ。強硬派は、ノルウェー沖のバレンツ海で米国情報収集船を拿捕し、さらに、ソ連が誇る巨大原潜と最新鋭攻撃原潜を密かに米国近海に派遣し、核の一撃で米国を破壊せんともくろむ…。