著者 : リンダ・フェアスタイン
マンハッタンは、その事件に戦慄した。NY随一の規模を誇る総合病院、ミッド-マンハッタン・メディカル・センターで、高名な女性医師が死体で発見されたのだ。全身を刺され、下半身の下着を剥ぎ取られた姿で…病人を癒す安息の場所であるはずの病院での惨劇に、マスコミは騒然となった。状況から見て、レイプ殺人の可能性が高い。マンハッタン検察庁の性犯罪訴追課を率いる女性検事補アレックスが、ただちに現場へ急行した。だが、状況を知った彼女は唖然とする。病院は警備が甘く、その構内には数多くのホームレスが住み着き、外部の人物も侵入可能な、きわめつきの危険地帯だったのだ。思わぬ事態に、容疑者は続出し、捜査は遅々として進まない。苦しい状況に追い込まれたアレックスだが、事件解決への手がかりは、意外なところからもたらされた…自らも性犯罪訴追のエキスパートである著者が、マンハッタンの犯罪と生活を余すところなく描き出した、一級品のサスペンス。
マンハッタンの地方検察庁で性犯罪訴追課を率いる地方検事補アレックスは、とある早朝、新聞で自分自身の殺害を報じる記事を読む羽目になった。高性能ライフルで顔面を吹き飛ばされた女性の死体が、アレックスの別荘で発見されたからだ。殺されたのは、アレックスの親友で人気映画女優のイザベラだった。ストーカーに悩まされていたイザベラは、一時的に身を隠すため、アレックスの別荘を借りていたのだ。彼女はアレックスと間違われて犠牲になったのか?だが、殺されたイザベラが別荘に男を連れ込んでいたことが判明し、事件の様相は一変する。事件後に姿を消したその男が犯人なのか?その正体は、別れた夫か、ふられた恋人か、あるいは謎のストーカーか?混迷を深める事件と、山をなす日常業務に忙殺されるアレックスだが、やがて予想外の容疑者の出現で、窮地に立たされることに。犯罪多発地帯マンハッタンで、日夜卑劣な性犯罪と闘い続ける、ニュー・ヒロイン登場。期待の新鋭が自身の体験を生かしてリアルに描く、闘う地方検事補アレックスの活躍。