著者 : ルーイス・シャイナー
うち捨てられし心の都(上)うち捨てられし心の都(上)
悠久の時を経て、廃墟となりはてながらも、なお神話の息づくマヤの遺跡。この神域にのみ生える“聖なるキノコ”には人間に過去を再体験させる不思議な力があるらしい。その遺跡をめざして消息を絶った夫のエディーを捜して、リンジーは内乱に揺れるメキシコへやってきた。エディーはかつてロックのスーパースターだったが、ドラッグで身をもち崩して入院中、その病院を脱走したのだ。エディーの兄で、マヤ文明崩壊の謎を解明に挑むトーマスとともに、メキシコ山中に旅だったリンジーを待つものは…?ファン待望の新鋭の問題作、ついに登場。
うち捨てられし心の都(下)うち捨てられし心の都(下)
アメリカの軍事介入や、政府軍と反政府ゲリラの血みどろの抗争で政情不安におちいったメキシコ。銃火と硝煙をくぐり抜けて、リンジーとトーマスは一路〈ナ・チャン〉をめざす。果てしない時の輪廻を凝視しているような石像や、神秘の世界への扉を秘めた神殿の建ちならぶこの古代マヤの都市遺跡は、エディーになにを見せたのか?時を超えてよみがえる叡知に満ちたマヤの終末の予言とは?ギブスン、スターリングらと並んでSFの地平を果散に切り開く気鋭が、卓抜したストーリーテリングで現代SFと神話的世界を見事に融合させた衝撃の傑作。
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