著者 : レアード・ハント
インディアナ、インディアナインディアナ、インディアナ
切れぎれの回想、現在のノアの心理、オーパルからの手紙、ノアの父ヴァージルや母ルービーをめぐる一連の奇妙な逸話…。事実は見えなくても、ノアの胸に満ちる強い喪失感は、一ページ目からはっきり伝わってくる。その静かな哀しみが、ノアと猫たちとのどこかとぼけたやりとりや、ノアの父親ヴァージルのやたらと衒学的な物言いなどから浮かび上がる淡いユーモアと絶妙に混じりあい、それらすべてが、文章教室的規範から逸脱することを恐れない自在の文章で語られることによって、この作品を、昨今の小説には稀な、とても美しい小説にしている。(訳者・柴田元幸)哀しみを抱えるすべての人へ。2006年刊行の「とても美しい小説」を復刊。
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南北戦争がはじまって、インディアナの農場で暮らす主婦コンスタンスは男のふりをして戦争に参加する。訥々とした女語りの雄弁さ、死と痛みに浸された世界、色彩たっぷりの自然描写、静かで容赦ない声。ポール・オースターが絶賛した長篇を柴田元幸の見事な訳でおくる。
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