著者 : レイチェル・インガルズ
悲劇の終り悲劇の終り
舞台で端役をつとめながら「運命の男」が現れるのを待っている女優の卵ケイティ。運命の男は現れた、優しい仮面をかぶって。彼の子を宿しているとわかった時、彼が復讐と金への欲望にとりつかれていることを知る。「それでも彼を愛している」…。彼女は罠にはまってゆく-。小気味よいサスペンスタッチの表題作他、黒魔術のようなパーティーにまぎれこみ、そこから出られなくなる恋人同士を描く「蛙」、“精巧な美女人形”に翻弄される三人の男女の姿を描く「現場」の三篇を収める。
ミセス・キャリバンミセス・キャリバン
最愛の子を失い、夫の浮気も発覚して意気消沈するドロシー。そんな折りも折り、海洋調査研究所から逃げ出した謎の怪物「アクエリアス」が彼女の前に現われる。身長2メートルはあろうかという、海陸両棲の蛙男。ドロシーはその怪物を海に帰してやろうとするが…。哀しみの果ての優しさを描いた表題作ほか、倦怠期にさしかかった中年夫婦と新婚カップルの奇妙なやりとり(「聖ジョージとナイトクラブ」)、公園のベンチで終日夢想に耽る男の話(「置き去りにされた男」)の2篇収録。
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