著者 : レオナルド・パドゥーラ
風に舞う塵のように風に舞う塵のように
現代キューバの磁力とディアスポラ 《ジャーナリストとして鍛錬を積んだパドゥーラがその教えを忠実に守り続けていることは、小説の執筆に臨む際の入念な調査にはっきりと感じられる。》(フアン・ビジョーロ) 2014年、キューバから亡命した元野球少年マルコスと、キューバ人を母に持つ大学院生アデラ、二人はマイアミで運命的な出会いを果たす。愛を深めていく二人は、激動のキューバ現代史に翻弄された両親の知られざる過去に直面する。革命とともに産声をあげ、希望に溢れる青春時代を過ごした若者たちが、一夜の事件を端緒に、一人また一人と祖国を去り、行き着く先で見出す真実とは…… 祖国の呪縛を抱えたまま、塵のように世界中に散らばった人々の生き様を、「キューバ国民生活の年代記」という壮大なスケールで描き出す傑作長編。
わが人生の小説わが人生の小説
交差する過去と現在、キューバ独立にまつわる物語ーー 故国キューバから追い出された文学研究者のフェルナンド・テリーは、19世紀の詩人ホセ・マリア・エレディアの「回想録」にまつわる情報を得る。一時帰国したハバナで「回想録」の手がかりを探すフェルナンドは旧友たちと再会し、自分を亡命に追い込んだ裏切り者の存在を見つけようとするだが……。キューバ独立運動にまつわる事件をミステリー仕立てに描き出す傑作長編。
犬を愛した男犬を愛した男
世界革命を夢見るレフ・ダヴィドヴィチ(トロツキー)の亡命、暗殺者ジャック・モルナルに成り代わるスペイン人民戦線の闘士ラモン・メルカデール、そして舞台はメキシコへと至る。イデオロギーの欺瞞とユートピア革命が打ち砕かれる歴史=物語を力強い筆致で描く、現代キューバ文学の金字塔。
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