著者 : ローリー・ベンソン
公爵と疎遠の妻公爵と疎遠の妻
口先だけの言葉に平気でいられるほど、 あなたへの愛は軽くない。 この5年というもの、オリヴィアの結婚生活は灰色だった。 公爵ガブリエルとの結婚1年目は甘く美しい思い出に彩られていたが、 長男を産んだその日に夫が別の女性の香りを漂わせて帰宅し、 彼女はショックのあまり、もう自分には指一本触れさせないと宣言した。 ところが今、そろそろ予備の跡継ぎをもうけるよう義母に急かされ、 オリヴィアは窮地に追い込まれたーーあの日、女性と会っていた理由を いまだに説明しない彼に、再びわたしのベッドへ来てと言うなんて……。 意に染まないけれどこれが公爵夫人の務めと、彼女は夫に協力を求めた。 すると予想だにせぬ返答が、オリヴィアの胸を突き刺した! 「うんざりする務めだが、さっさと片づけてしまうしかないな」 長く血の通わない結婚生活を続けてきたオリヴィアですが、本当は公爵の気配を感じるだけで息をきらすほど彼を求めていたのでした。けれども夫のぞんざいな言葉にひどく傷つけられ……。物語終盤、愛の名言が飛び出す傑作です! 『公爵と名もなき娘』の関連作。
公爵と名もなき娘公爵と名もなき娘
「失礼しました、マイ・ロード」招待客のひしめく舞踏会で、アメリカ人作家の娘カトリーナは、ぶつかってしまった男性に謝った。知的で魅力的な彼に強く惹かれたものの、互いに名乗らぬまま別れた。じつは彼の正体は、イギリス社交界で知らぬ者はない、ライアンズデール公爵ジュリアンーー“マイ・ロード”以上の高貴な呼びかけをされて然るべき身分だが、彼はあえて訂正せず、アメリカから来たという彼女と気軽な会話を楽しんだのだった。だが異国の娘とかかずらって名門の面汚しになるつもりは毛頭なかった。一方、そうとは知る由もないカトリーナ
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