著者 : 一條次郎
チェレンコフの眠りチェレンコフの眠り
猫のまたぐらよりも暑い夏の日の午後、ヒョウアザラシのヒョーの誕生パーティーの只中に、マフィアのチェレンコフとその一味が銃殺された。ひとりのこされたヒョーはチェレンコフの亡霊に促され、アザラシ用ゴルフカートで町へと繰り出す。汚染された土地、プラスチックの雨、奇妙な人々、破壊された次の地球ー。ふくざつな世界の大きなかなしみをめぐる、比類なき物語。
レプリカたちの夜レプリカたちの夜
動物レプリカ工場に勤める往本がシロクマを目撃したのは、夜中の十二時すぎだった。絶滅したはずの本物か、産業スパイか。「シロクマを殺せ」と工場長に命じられた往本は、混沌と不条理の世界に迷い込む。卓越したユーモアと圧倒的筆力で描き出すデヴィッド・リンチ的世界観。選考会を騒然とさせた新潮ミステリー大賞受賞作。「わかりませんよ。何があってもおかしくはない世の中ですから」。
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