著者 : 万城目学
きみが見つける物語 十代のための新名作 休日編きみが見つける物語 十代のための新名作 休日編
とびっきりの解放感で校門を飛び出す。この瞬間だけは、学校のことも嫌な奴のことも、宿題のことも忘れて…。旬の作家が集結、それぞれが紡いだ休日の大冒険とは?いまどきの名作を厳選、超豪華ラインアップでおくる短編小説集『きみが見つける物語 十代のための新名作』。「休日編」には、角田光代、恒川光太郎、万城目学、森絵都、米澤穂信の傑作短編を収録。
ホルモー六景ホルモー六景
このごろ都にはやるもの、恋文、凡ちゃん、二人静。四神見える学舎の、威信を賭けます若人ら、負けて雄叫びなるものかと、今日も京にて狂になり、励むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。このごろ都にはやるもの。元カレ、合コン、古長持。祗園祭の宵山に、浴衣で駆けます若人ら、オニと戯れ空騒ぎ、友と戯れ阿呆踊り。四神見える王城の地に、今宵も干戈の響きあり。挑むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。古今東西入り乱れ、神出鬼没の法螺試合、若者たちは恋謳い、魑魅魍魎は天翔る。京都の街に咲き誇る、百花繚乱恋模様。都大路に鳴り渡る、伝説復古の大号令。変幻自在の第二幕、その名も堂々「ホルモー六景」、ここに推参。