著者 : 三上延
百鬼園事件帖百鬼園事件帖
舞台は昭和初頭の神楽坂。大学生の甘木は、何事にも妙なこだわりを持ち、屁理屈と借金の大名人である教授・内田榮造先生と親しくなる。先生は内田百間という筆名の作家で、夏目漱石や芥川龍之介とも交流があったらしい。先生と行動をともにするうち、甘木は徐々に得体の知れない怪奇現象に巻きこまれるようになる。不可思議な事件を颯爽と解決して回る先生には、何か切実な目的があるようで…。偏屈教授と平凡学生が、怪異と謎を解き明かす。
同潤会代官山アパートメント同潤会代官山アパートメント
昭和二年。関東大震災で最愛の妹を喪った八重は、妹の婚約者だった竹井と結婚したが、最新式の住居にも、新しい夫にも、上手く馴染めない自分に苛立ちを感じていた…。昭和と共に誕生し、その終わりと共に解体された同潤会代官山アパート。その一室からはじまった一家の歳月を通して描かれる、時代の激流に翻弄されても決して失われない“家族”-すなわち“心の居場所”の物語。
江ノ島西浦写真館江ノ島西浦写真館
百年続いた写真館の館主、祖母・西浦富士子の遺品を整理するために、桂木繭は江ノ島を訪れた。かつてプロの写真家を目指していたが、ある出来事がきっかけで、今はカメラを持つことができない繭。懐かしい写真館を訪れ、祖母と親しかった人々と出会うことで、封印していた過去が少しずつ露わになっていく。そしてー。写真の謎解きと、人間の過ちと再生を描く物語。
江ノ島西浦写真館江ノ島西浦写真館
江ノ島の路地の奥、ひっそりとした入り江に佇む「江ノ島西浦写真館」。百年間営業を続けたその写真館は、館主の死により幕を閉じた。過去のある出来事から写真家の夢を諦めていた孫の桂木繭は、祖母の遺品整理のため写真館を訪れる。そこには注文したまま誰も受け取りに来ない、とごか歪な「未渡し写真」の詰まった缶があった。繭は写真を受け取りに来た青年・真鳥と共に、写真の謎を解き、注文主に返していくがー。
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