著者 : 三木笙子
「僕は何もしていないよ、揉め事が勝手に起きただけだ」 帝都を騒がす怪盗ロータスこと蓮と、 その幼馴染であり元検事の安西省吾。 二人が出会った五つの事件。 〈帝都探偵絵図〉シリーズ、待望のスピンオフ作品集! 「怪盗になる」そう宣言した幼馴染みの蓮に仲間に引き入れられ、安西省吾は東京地方裁判所検事局を辞めてともに欧州に渡った。帰国後、二人はしばらく日本で静養するはずだったが……大人しくするという約束をはぐらかし、蓮は次々と不可思議な出来事を見つけてくる。その度に才知を見せる蓮を、省吾は複雑な胸中で見守っていた。彼の隣に立つのが、凡庸な自分でいいのか、と。〈帝都探偵絵図〉シリーズ、待望のスピンオフ連作集。 ■目次 グランドホテルの黄金消失 特等席 埋める者 暴く者 すべて当たり籤 光と影のおむすびころりん
明治末期の日本ーー貿易の拠点として栄えた港町・横浜で起きる難事件を、美貌の青年名探偵が鮮やかに解決! 明治末期の日本。貿易の拠点として栄えた港町・横浜で起きる難事件を、美貌の青年探偵が解決!
時は明治。銀座は南紺屋町に「静修館」という古いけれど居心地の良い下宿屋がある。若者が多く住むこの下宿屋を取り仕切る大家は、料理をはじめ家事万端を見事にこなす梨木桃介だ。その働きぶりの前では、小説家の仙道湧水も我が儘を封印し、居住まいを正して下宿している。しかし静修館にはなにかと謎が持ち込まれ、「先生なら助けてあげられるかもしれないね」という桃介の一言に湧水は奔走する羽目になるのだった。連作短編集。
帝都を騒がす大怪盗ロータスが盗みに失敗した! 東京は浅草の高層建築「凌雲閣」。その一角に飾られた油絵を盗もうとした怪盗は、番人に見つかり絵を置いて逃げたというのだ。この椿事は記者の高広の耳にも届く。ロータスは高広とも天才絵師・礼とも因縁浅からぬ相手、ただ失敗したとは思えない。高広と礼が調査を始めると、ロータス一連の窃盗事件の主任検事となっていた安西と再会する。怪盗と検事、今は敵対関係にあるが、かつては昔馴染みであり並んで駆け抜けた時代があったのだ。決別した二人がついに相まみえる。大好評〈帝都探偵絵図〉シリーズ第四弾。
宇宙技術振興推進株式会社(通称STeP)。待宵澄雄の異動先は「竹取班」と呼ばれ、月にまつわる伝承などを扱う部署。ある日、保管中の古いランプ『朧月夜』を譲ってほしいと男性が訪れるが…? 幻想譚。
海に浮かぶ街、ヴェネツィア。この地で友を亡くし、同じ悲しみを知る君と出会った。--時は明治。日本語講師としてイタリアに赴任した誠次郎は、下宿先の料理店で働く美青年・ルカとともに、迷宮都市で起きる様々な怪事件にかかわることになってーー? 海に浮かぶ街、ヴェネツィア。 この地で友を亡くし、同じ悲しみを知る君と出会った。 時は明治。日本語講師としてイタリアに赴任した誠次郎は、下宿先の料理店で働く美青年・ルカとともに、迷宮都市で起きる様々な怪事件にかかわることになってーー? 水上都市で起きる難事件を、二人は“智慧”と“情”で解き明かす。 マルコ・ポーロのように東方で財を成した大富豪が、見初めた花売り娘を探す「黄金の国」 ゴンドラに乗った仮面姿の怪人が、金貨をばら撒くという「水の都の怪人」 “カサノヴァ”とあだ名された男が、魚雷の設計図を盗んで消える「錬金術師の夢」 “ガリレオの望遠鏡”を逆さにのぞいたせいで失踪した米国人を探す「新地動説」 温かくて切ないミステリー 第一話 黄金の国 第二話 水の都の怪人 第三話 錬金術師の夢 第四話 新地動説 エピローグ
昭和の新宿。「雨の日だけ営業」と噂される、元神主・水上櫂の探偵社をめぐる物語ー。幼馴染の慎吾が「近ごろ、会社に間違って届く郵便物が多くて、受付の女性が困っている」と櫂に相談した数日後、その女性は失踪して…(表題作)。◎友の死を悼みつづける女の真意を見抜く「沈澄池のほとり」。◎破格の待遇で募集されたカメラマン採用試験の謎に迫る「好条件の求人」など、四作品を収録した連作短篇推理小説。
神隠し伝説が残る田舎町の高校に転校してきた久守徹は、天狗と呼ばれ人に遠巻きにされる孤高の少年・野見大地に誘われ廃部寸前の地学部に入部する。風のようにあらわれ石と戯れる大地に徹は惹かれるが、大地にはまだ誰にも明かせない秘密があった。それは人の記憶を内にとどめ後世に伝える「決壊石」の不思議だ。大地は初めてその秘密を徹に打ち明ける……。 記憶を刻む不思議な石が、転校生の徹と孤独者の大地を結びつけた。死んだ祖父が大昔に交わした約束の人を待ち続ける大地と、そんな軛から大地を解放したいと願う徹。しかし、石の記憶が照らし出したのは大地と徹の先祖の哀しい出来事だった。美しく切ないファンタジック・ストーリー。 神隠し伝説が残る田舎町の高校に転校してきた久守徹は、天狗と呼ばれ人に遠巻きにされる孤高の少年・野見大地に誘われ廃部寸前の地学部に入部する。風のようにあらわれ石と戯れる大地に徹は惹かれるが、大地にはまだ誰にも明かせない秘密があった。それは人の記憶を内にとどめ後世に伝える「決壊石」の不思議だ。大地は初めてその秘密を徹に打ち明ける……。 水晶、瑪瑙、琥珀ー妖しく美しい輝きの鉱物が過去の真実を照らし出す。そして判った驚愕の出来事とは? 一 水晶宮 二 記憶する琥珀 三 翡翠の声 四 蓮台銀山 五 天の支石 六 紫水晶決壊
ある代議士夫人の影が盗まれたー。この不可思議な事件の謎を解いてほしいと養父母の頼みを断りきれず、高広は礼と調査を始める。事件には妖しい爪哇の魔術が絡み、さらに帝都を騒がす怪盗ロータスの気配が…。心優しき雑誌記者と超絶美形の天才絵師、ふたりの青年を中心に、明治の世に生きる人々の姿を描く“帝都探偵絵図”シリーズ第三弾。書き下ろしを含む六篇を収録。
同級生の大地に誘われて地学部に入部した、高校一年生の徹。鉱石の話になると途端に饒舌になる彼と過ごすうちに、徹は大地が持つ不思議な「力」を知ることに。特定の石に触れると、前の所有者の記憶を読むことができるのだ。大地は、同じ力の持ち主である祖父・伝から記憶を受け継ぎ、昔、祖父が親友と交わした、当てのない約束を守り続けていた。話を聞いた徹は、大地を約束から解放したいと願い、ある決意をするーー。 同級生の大(だい)地(ち)に誘われて地学部に入部した、高校一年生の徹(とおる)。 鉱石の話になると途端に饒(じょう)舌(ぜつ)になる彼と過ごすうちに、 徹は大地が持つ不思議な「力」を知ることに。 特定の石に触れると、前の所有者の記憶を読むことができるのだ。 大地は、同じ力の持ち主である祖父・伝(つたえ)から記憶を受け継ぎ、 昔、祖父が親友と交わした、当てのない約束を守り続けていた。 話を聞いた徹は、大地を約束から解放したいと願い、ある決意をするーー。 水晶、瑪(め)瑙(のう)、琥(こ)珀(はく)、翡(ひ)翠(すい)……、鉱物が照らし出す真実とは?
昭和30年代の新宿、珈琲店の二階に住む美しき青年・水上櫂が開いたその探偵社は、「雨の日だけ営業する」そう噂されていたー。櫂のもとに、大家で幼馴染の和田慎吾が「最近、自分の店子の会社で、郵便物の間違いが多くて、応対する受付の女性が困っている」と訪れる。慎吾が櫂に相談した三日後、その女性は失踪して…(表題作)。友人の死を悼む女性の真意を見抜く「沈澄池のほとり」、破格の条件が用意された学生カメラマン採用試験の謎に迫る「好条件の求人」など四作品を収録した連作短篇集。