著者 : 三木鮎郎
アメリカは占領された!急激な軍備縮少と敵の策謀で、戦わずして敗北したのだ。ホワイトハウスの翻訳官ヒュウリットは、スラブ人司政官ザリンスキイの命令で占領軍への協力を強要される。やがて彼が見たものは、厳しい言論統制、ユダヤ系市民に対する弾圧などの過酷な占領政策。だが祖国奪還のため密かに活動を開始した者たちがいた。アメリカ最高の頭脳を結集した抵抗グループ〈ファースト・チーム〉。彼らの狙いは、恐るべき破壊力を持つ核ミサイル搭載原子力潜水艦を敵の手から奪取することだった。悪夢の事態を迫真の筆致で描く冒険大作。
綿密な計画の下、原潜奪取作戦は開始された。敵の裏をかき、潜水艦〈マグサイサイ〉は無事港を脱出。だが、敵も死にもの狂いで捜索を開始した。〈マグサイサイ〉が敵国を射程内に収めるには、難関ベーリング海峡を抜けなければならないのだ。一方、〈ファースト・チーム〉はヒュウリットを通じて敵に最後通牒をつきつける。アメリカから撤退しなければ、核ミサイルを敵国に発射するというのだ。だが敵はすでに潜水艦を発見、撃沈したと発表した。果たして〈マグサイサイ〉とアメリカの運命?占領者の圧制と戦う人々の勇気を描く感動の巨篇。
老朽船で密入国者を運ぶ途中、トラップ船長はアラブ人の一団に拉致された。怪しげな男の前に連行された彼は、そこである仕事を強要される。貨物船の船長となり、積荷を所定の港へ届ける。その後で船を沈めろというのだ。事故に見せかけて保険金をだまし取る計画だった。だが奇妙なことに、この貨物船は中国人ギャングに狙われていた。しかも、英国情報部の密命を帯びたトラップの元副長ミラーも乗り込んできた。貨物船にはどんな秘密があるのか?二転三転するプロット、巧みなユーモアー現代の荒海を舞台に描く『無頼船長トラップ』の続篇。