著者 : 三田完
あしたのこころだ 小沢昭一的風景を巡るあしたのこころだ 小沢昭一的風景を巡る
俳優、放浪藝の研究者、エッセイスト、俳人、そしてラジオ・パーソナリティとしての磨き抜かれた話藝。「小沢昭一的こころ」の筋書作家をつとめた著者が、“異能の人”の藝と人生に迫る。
草の花 俳風三麗花草の花 俳風三麗花
昭和10年春、女子医専を卒業した壽子は、満州・大連へ赴任する。帝大の科学者と祝言をあげたちゑ。六代目尾上菊五郎の妾となった芸者の松太郎。不穏な世相を背景に、三麗花はそれぞれの道を歩みだす。やがて訪れた再会の日、満洲国皇帝の御前で彼女たちが詠んだ秀句とはー。句会小説の洒脱にして芳醇な味わい。
当マイクロフォン当マイクロフォン
遊郭に入り浸り、地回りと揉め、生放送に遅刻する。NHK屈指のアナウンサーであり、独自の語りで広くその名を知られた男・中西龍は、おのれの業と因果に翻弄され、熊本、鹿児島、旭川、富山、名古屋、東京、大阪と、地方局を流転した。母恋いの激情に身を明け渡した男の、常識破りの行状の数々。芸の鬼となった魂に、安住の地はあるのかー。語りを、俳句を、母を愛した昭和の男の、一途な生涯を描く。
俳風三麗花俳風三麗花
昭和7年夏、秋野暮愁が主催する暮愁庵句会で出会った三人娘ー大学教授の父を亡くしたばかりの阿藤ちゑ、東京女子医学専門学校の学生・池内壽子、そして浅草芸者の松太郎。句会を通して友情を育む娘たちの恋模様を、古き良き東京を背景に瑞々しく描く。読めば思わず一句詠みたくなる、出色の“句会小説”。
乾杯屋乾杯屋
退職金をはたき、業界のパーティーで乾杯の音頭をとる権利を買った芸能記者の運命は?表題作ほか、巨匠と大女優との壮絶な確執(「授業」)や、死者の体を清める湯潅を仕事とする元風俗嬢(「メイクアップ」)など、現代の奇譚とも呼ぶべき物語全六篇。
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