著者 : 三辺律子
砂漠の土埃のなかを、神霊や亡霊が跋扈する。 ガーナ出身の著者が、西アフリカの神話を下敷きに描く、まったく新しいハイファンタジー。シリーズ第1弾! 砂漠に囲まれた豊かな都市国家・ズィーラーンに、新しい生活を求めて逃れてきた難民の少年・マリク。心に傷を抱え、後継者でありながら、自国を逃れ、遠くで暮らしたいと願う王女・カリーナ。 五十年に一度の祝祭の最中、女王が暗殺される。カリーは「よみがえりの儀式」を行うことを決意するがーー。 出会うはずのないふたりが神霊の謀略によって出会うとき、運命が動きはじめるーー。 「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラー!
必要なのは、その命。 「よみがえりの儀式」のためには、“王”を殺さねばならない。 王女はだれを“王”に選ぶのか。命を選ぶことはできるのかーー。 心が近づくほどに、相手の命を奪うことへの葛藤が深まるマリクとカリーナ。カリーナの願いもむなしく、マリクはソルスタシアの試練に勝ち進んでいく。それは、決断のときが近づいていることを意味していた。 惹かれ合うほど、運命は非情さを増していくーー。 西アフリカの神話を下敷きにえがかれる、まったく新しいハイファンタジー! 「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラー!
妖精の王女にかけられた呪いは 十八歳の誕生日に 人間の医者によって解かれるだろう おとぎばなしさながらに 妖精の王女と結ばれた若い医者の運命は? 表題作他10編を収録 ガーディアン賞、エドガー賞受賞の著者が紡ぐ生と死、 人間と人外の不思議な世界 医師と不思議な少女の恋を描いたおとぎばなしのような表題作ほか、犬と少女の奇妙な絆を描いた「ロブの飼い主」、お城に住む伯爵夫人対音楽教師のちょっぴりずれた攻防「よこしまな伯爵夫人に音楽を」、独特の皮肉と暖かさが同居する幽霊譚「ハープと自転車のためのソナタ」など、恐ろしくもあり、優しくもある人外たちと人間の関わりをテーマにした短編全十編を収録。ガーディアン賞、エドガー賞を受賞した著者の傑作短編集第三弾。 ■目次 「ロブの飼い主」 「携帯用エレファント」 「よこしまな伯爵夫人に音楽を」 「ハープと自転車のためのソナタ」 「冷たい炎」 「足の悪い王」 「最後の標本」 「ひみつの壁」 「お城の人々」 「ワトキン、コンマ」
やっぱり翻訳モノはおもしろい。 読めば読むほど、もっと読みたくなる。 19年10月に刊行した『翻訳者による海外文学ブックガイド BOOKMARK』(1〜12号収録)の第2弾、完結編。 13号(18年12月)〜20号(23年2月)に、「緊急特集 戦争を考える」を加えた全9号が1冊の本になりました。 フィクションやとんでもなく厚い本、短篇、詩等のほか、「戦争を考える本」も紹介。 江國香織さん、多和田葉子さん、東山彰良さん、ブレイディみかこさん、町田康さん、森絵都さんなど、総勢31人の作家の方々によるエッセイも収録した贅沢な翻訳本案内です。 13「絵と字で、無敵!」グラフィックノベル特集 【エッセイ】グラフィックノベルの新時代とスタン・リー 95歳の死──小野耕世(映画・漫画評論家) 14「against!」「ノー」と言うこと 【エッセイ】不羈という一言──あさのあつこ(作家) 15「Be short!」短編特集 【エッセイ】遠い他国の和平を願う──宮内悠介(作家) 16「stranger than fiction?」ノンフィクション特集 【エッセイ】現実こそオチがつく──ブレイディみかこ(ライター) 17「Books on Books」本についての本特集 【エッセイ】我が友バートルビ──都甲幸治(アメリカ文学研究者・翻訳家) 18「Other Voices,Other Places」英語圏以外の本特集2 【エッセイ】翻訳と詐欺──多和田葉子(作家・詩人) 19「Fat but/and Fun」分厚い本特集 【エッセイ】分厚い本──桜庭一樹(作家) 緊急特集2022 Books and Wars 戦争を考える 青山七恵、江國香織、恒川光太郎、酉島伝法、東 直子、東山彰良、深緑野分、星野智幸、穂村弘、町田康、松田青子、森絵都 and more…… 20 It will resonate 詩の本特集 【エッセイ】詞と詩のあいだにあったもの──斉藤 倫(詩人)
19世紀のロンドン。スワンズビー社の辞書編纂者ウィンスワースは、日夜ひそかに架空の項目を挿入することで日々の憂いをはらしている。いっぽう現代のスワンズビー社では、インターンであるマロリーが辞書に紛れ込んだ嘘を探しだし取り除く仕事と格闘していたー。言葉の定義に執着しながら定義不可能な現実に振り回される、ふたりの辞書編纂者のひねくれた愛の物語。
中には見たこともないような鳥がいた。 羽根はすべて純金で、目はろうそくの炎のようだ。 「わが不死鳥だ、あまり近づかないようにな。凶暴なのだ」 不死鳥とルビーが詰まった義足を押しつけられた 青年が見いだした解決策とは? 表題作他全10編を収録 ガーディアン賞、エドガー賞受賞の名手が織りなす摩訶不思議な世界 不死鳥と、ルビーが詰まった義足を獣医から引き継いだ旅人テーセウスの選択を描いた表題作ほか、つつましやかな幽霊犬を競売で手に入れた書類箱の中にみつけた飼い主の話「ハンブルパピー」、上の階に行くことを絶対に拒否し続けた女の子の運命「上の階が怖い女の子」など、奇妙で幻想味にあふれ、ときに優しく、ときにぞっとするような怖さを秘めた短編全十編を収録。ガーディアン賞、エドガー賞を受賞した著者の傑作短編集第二弾。 ■目次 「葉っぱでいっぱいの部屋」 「ハンブルパピー」 「フィリキンじいさん」 「ルビーが詰まった脚」 「ロープの手品を見た男」 「希望(ホープ)」 「聴くこと」 「上の階が怖い女の子」 「変身の夜」 「キンバルス・グリーン」
「大丈夫じゃなくても、大丈夫。」 生きづらいあなたへ贈る、友情と成長の物語。 イラン出身の母と白人の父をもつ、ペルシア系アメリカ人のダリウス。 家でも学校でも疎外感を覚える彼は、母の故郷ヤズドを家族で訪れることに。 そこではじめての友達を見つけ……。 民族、人種、性的指向、うつ病、多重のアイデンティティに悩む16歳の青春物語。 ◎ウィリアム・C・モリス賞受賞 ◎ボストングローブ・ホーンブック賞フィクションと詩部門オナー受賞 ◎Asian/Pacific American Awards for Literature ヤングアダルト文学部門受賞 ◎Lambda Literary Awards 児童・ヤングアダルト部門最終候補作 [アメリカの様々な年間ベストブックスに選出されました!] タイムズ/ウォール・ストリート・ジャーナル/バズ・フィード/パブリッシャーズ・ウィークリー/カーカス・レビュー/ニューヨーク公共図書館/ブック・エキスポ・アメリカ ほか多数 【著者略歴】 アディーブ・コラーム Adib Khorram 作家、グラフィックデザイナー、お茶愛好家。アメリカ合衆国のミズーリ州カンザスシティで育つ。南イリノイ大学でデザインと舞台技術を学ぶ。 その後イベント会社に勤務するかたわら、2018年に『ダリウスは今日も生きづらい』でデビュー。本書はウィリアム・C・モリス賞や、ボストングローブ・ホーンブック賞オナーなど様々な賞を受賞した。 執筆以外の時間は、ルッツ・ジャンプの練習をしたり、ヨガで逆立ちをしたり、ウーロン茶を淹れたりしている。 【訳者略歴】 三辺律子(さんべ・りつこ) 東京都生まれ。英米文学翻訳家。白百合女子大学大学院文学研究科児童文学専攻修士課程修了。訳書にジャンディ・ネルソン『君に太陽を』(集英社文庫)、デイヴィッド・レヴィサン『エヴリデイ』(小峰書店)、ジョーン・エイキン『月のケーキ』(東京創元社)など多数。 【原書タイトル】 DARIUS THE GREAT IS NOT OKAY
幼い娘が想像した「バームキン」を宣伝に使ったスーパーマーケットの社長、だが実体のない「バームキン」がひとり歩きしてしまい、世間を大騒ぎさせることに……『バームキンがいちばん』。ヴァイキングの侵略者が攻めてきた。これまでは魔女である祖母が城を守っていたが、祖母亡き今、城の守りは孫のコラムに託された。果たしてコラムはどんな手段を使って城を守るのか?『にぐるま城』など、ガーディアン賞受賞の名手による奇妙な味わいの13編を収めた短編集。
ある午後、ある村で行方不明になった12歳の少女。村では「儀礼殺人」ではと噂が流れるが、警察は野生動物に襲われたのだと結論づけた。5年後、その村に赴任した若者が、ひょんなことから事件の真相を追うことになる。警察、政治家、実業家、校長、村人、被害者の母…何重にも折り重なった嘘と秘密の先で、彼女が見たものとはー。
中世イングランド、おたずね者となった弓の名手ロビンはシャーウッドの森の奥に隠れ住む。棒術の名人、吟遊詩人、飲んだくれの修道僧など個性豊かな強者たちを仲間に引き入れながら、強欲な役人や聖職者らを相手に痛快な戦いを繰り広げるロビンだが…。著者による挿絵全点収録!イングランドの義賊伝説を元にした痛快活劇。
「ねえ、わたしの話を聞いて……」偶然車に乗せた少女、メアリアンに導かれてマイクが足を踏み入れたのは、十代の子どもばかりが葬られている、忘れ去られた墓地。怯えるマイクの周辺にいつのまにか現れた子どもたちが、次々と語り始めるのは、彼らの最後の物語だった……。廃病院に写真を撮りに行った少年が最後に見たものは。出来のいい姉に悪魔の鏡を覗くように仕向けた妹の運命は。ノスタルジー漂うゴーストストーリーの傑作。訳者あとがき=三辺律子