著者 : 上京恵
神話世界への華麗なる招待。『マハーバーラタ』と並ぶインド二大叙事詩のひとつ『ラーマーヤナ』をサンスクリット語原典の流れに即し、読みやすく胸躍る物語に再話。
ラーマ、シーター、ハヌマーン、シヴァ、カーリーー映画『バーフバリ』や人気RPGの想像力の源泉となった神々と英雄と聖仙が織りなす絢爛たる物語世界へ。
ある事件をきっかけに10年のあいだ人付き合いを絶っていたスカーデイル公爵ルンデンを、旧友マシューが訪ねてきた。驚くルンデンにマシューは、一向に縁談を承諾しない妹のアメリアを説得してほしいと頼み込む。妹は幼い頃、ルンデンの言うことだけは聞いたからと。アメリアは不幸な結婚をした親友を見て、嫁ぐと自由にものも言えなくなってしまうと恐れている。自分の両親のように愛情によって結ばれた夫婦になれる伴侶を望んでいるだけなのだが、幼い頃憧れていたルンデンから、愛は子どもっぽい夢の産物だと言われてしまった。それならば自分の三つの願いを聞いてくれれば嫁ぐと言い出したアメリアに、ルンデンは渋々応じるが、彼女の出した条件を叶えようとするうち、半ば死んでいたような心が動きはじめて…
姉が駆け落ちしたせいで、社交シーズン中に誰からもダンスを申し込まれなかった資産家の令嬢クララに、不気味な年配の貴族が屈辱的な物言いで求婚してきた。彼女は拒絶したものの、家の名誉を取り戻したい父が縁談を決めてしまう。家出する決意をしたクララは、メイドの手助けでアシュワース伯爵の屋敷にしばらく隠れることになった。身の上を秘密にして、メイドとなって働くのだ。家出の道中、馬車に轢かれそうになって転んだ彼女を、美しい男性が助けてくれた。そして伯爵邸に到着すると、そこにいたのは先程の男性。彼こそがアシュワース家の当主になったばかりのウィリアムだ。一方、ウィリアムは新しいメイドが気になって仕方がない。女性にうつつを抜かしている場合ではないと悩むのだが…