著者 : 上村巌
ノルウェー領スピッツベルゲン島が,ソ連軍に占領された。北洋艦部隊の潜水艦部隊が,イギリス=アイスランド間の海域に敷設させた機雷網を突破し,北大西洋への進攻を果たすためには、この島が戦略的な要衝となる。アメリカ海軍提督デヴィッド・プラットには,ソ連側の目論見が読めていた。彼らはNATO諸国に武力攻撃をしかける気だ。プラットの命を受けたバーニー・リングら海軍特殊部隊の精鋭は,島への潜入作戦を開始した…。
一方、ソ連地上軍が進攻を開始した。それに呼応するように、黒海艦隊および第5小艦隊が臨戦態勢に移行、地中海を封鎖してNATO軍への補給路を分断する構えだ。アメリカ第6艦隊の手で地中海は死守せねばならない。プラット提督は全軍の指揮をとるべく、旗艦の空母〈ジョン・F・ケネディ〉へ飛んだ。米ソ両軍の総力を結集した大海戦が、いま始まろうとしていた。『チョーク・ポイント』に続くハイテク軍事スリラー第2弾。
パナマ運河を閉鎖し、同時にカリブ海の入口となる各海峡を封鎖すれば、アメリカにとって軍事上貿易上大きな意味を持つメキシコ湾は無用の長物と化す。カリブ海沿岸諸国に基地を建設し、アメリカを牽制しようと画策中のソビエトは、キューバ海軍、パナマの革命軍を巻き込んで、1962年のキューバ危機以来の大海上封鎖作戦に出た。元駆逐艦乗りの作者が、自らの経験と最新の軍事情報を駆使して描き出す、ハイテク軍事スリラーの白眉。
最新鋭空母『ハリコフ』を始め、原子力潜水艦、原子力巡洋艦、駆逐艦をずらりと並べたソ連軍が、とうとうカリブ海に侵入。迎え撃つアメリカ軍は、空母『アメリカ』、戦艦『アイオワ』を中心に、原子力潜水艦、イージス艦、駆逐艦、フリゲイトなど数百隻を動員、ここにカリブ海海戦の火蓋は切って落とされた。飛びかうミサイル、音もなく忍び寄る魚雷。はたしてアメリカの生命線、パナマ運河を守り切れるか?迫真の軍事スリラー完結。