著者 : 上條一輝
誰もいないはずの家で聞こえる 襖が開閉する音、 触れていないのに落下する遺影、 ひとりでに動くこけし、 そして鏡に映る黒い人影 「ベストホラー2024」(国内部門) 『このホラーがすごい!』2025年版(国内編)宝島社 第1位の『深淵のテレパス』に続く 〈あしや超常現象調査〉シリーズ待望の続編! 「あしや超常現象調査」の芦屋晴子と越野草太は、古い一軒家でポルターガイストに悩まされる人物の依頼を受ける。世界で起こったポルターガイスト現象から法則性を導き出し、独自の対策を編み出して超常現象に立ち向かう二人。やがて現象は収束した……と思った矢先に、依頼人が失踪してしまう。さらに晴子と越野の周囲までもが奇怪な現象に蝕まれ始め──。 「ベストホラー2024」(国内部門)、『このホラーがすごい! 2025年版』(国内編)で1位に輝いた『深淵のテレパス』に続く、〈あしや超常現象調査〉シリーズ第2弾!
ホラーとして娯楽小説として、 非常に高いレベルでまとまっていた。--澤村伊智 息長く活躍してくれそうな期待を抱かせる、 大器である。--東雅夫 両選考委員大絶賛の創元ホラー長編賞受賞作 あなたが、呼ばれています。 あなたには、その声を聞くことができません。 私は、暗い水の底にいます。 暗く、危険な場所で、あなたを待っています。 私は、姿かたちを変えて、あなたの前に現れる。 とても、醜い姿で。 恐ろしい私の姿を見たあなたは、 正気を保っていられなくなるかもしれません。 私は、そうなることを狙っています。 ……あたなに伝えておきます。 それが、私にできる唯一のことだからです。 光を、絶やさないでください。 (『ある女子学生の怪談』より抜粋) 「変な怪談を聞きに行きませんか?」会社の部下に誘われた大学のオカルト研究会のイベントで、とある怪談を聞いた日を境に高山カレンの日常は怪現象に蝕まれることとなる。暗闇から響く湿り気のある異音、ドブ川のような異臭、足跡の形をした汚水ーーあの時聞いた”変な怪談”をなぞるかのような現象に追い詰められたカレンは、藁にもすがる思いで「あしや超常現象調査」の二人組に助けを求めるが……選考委員絶賛、創元ホラー長編賞受賞作。