著者 : 中一弥
平蔵の首平蔵の首
「平蔵の顔を見た者は、だれもいねえのよ」。盗賊・黒蝦蟇の麓蔵は復讐を遂げるため、いまは平蔵の手先となった女に案内を頼んだ「平蔵の顔」。両国橋の界隈で、掏摸を働いていた姉弟に目をつけたところ、思わぬ大事件にあたる「繭玉おりん」。火付盗賊改・長谷川平蔵のまったく新しい魅力を引き出した六篇。特別対談・佐々木譲。
めおとめおと
小藩の江戸留守居役・倉田家に、一人の女が姿を現した。夫・勇之助の、腹違いの妹だと聞かされた幸江は戸惑いながらも迎え入れるが、どこか様子がおかしい。兄妹の間に何か秘密があるのではないか?女の正体は…。疑惑にさいなまれる若妻を描く「江戸褄の女」をはじめ、「猫」、「佃心中」、「駆け落ち」、「虹」、「眩惑」など、夫婦や男と女のそれぞれの“かたち”を綴る珠玉の全6篇。人気作家の原点を示す、オリジナル傑作時代小説集。
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