著者 : 中山富美子
コ-ンウォ-ルの嵐コ-ンウォ-ルの嵐
ロンドンで書店づとめをしながら、一人暮らしをしていたレベッカに、病篤い母は、今まで話すことのなかった自分の家族のことを、初めて聞かせる。母が静かに息を引きとった後、レベッカは、コーンウォールのまだ見ぬ祖父の許へと旅立った。祖父は、高名な画家だったが、絵筆を捨てて久しかった。同じ屋敷に住むハンサムで魅力的ないとこ。そして驚いたことに、ロンドンのアンティーク・ショップで会ったことのある、少し強引で個性的な家具職人の青年も、ここコーンウォールで祖父の家に出入りしていた。伯父の妻、その親戚の娘、祖父の海軍時代の部下、屋敷での複雑な人間関係のなかでレベッカは、急速にいとこのエリオットに惹かれていくが、閉ざされた祖父のアトリエで、彼女は思いがけない家族の秘密を発見する。そして彼女が貰うはずだった母のかたみの書き物机が消え…。激しい嵐のコーンウォールでレベッカの人生は謎めいた運命の嵐に翻弄される。
ただ「あなた」だけで美しいただ「あなた」だけで美しい
孤児院で育ち、社会的地位と財産を築きながらも、愛を知らずに生きてきた中年女性メリー。知能に障害を持つ美しき青年ティム。孤独であること以外には何一つ共通するもののない彼と彼女が、互いを愛しあっていることに気づいたとき、二人は戸惑い、葛藤し、そして…。純粋な魂同士の結びつきはどれほどの障害をも乗り越えられるのかという問題を通して、今揺らぐ恋愛観・結婚観をあらためて問い直す、本格派恋愛小説。
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