著者 : 中川晴子
嘆きの年嘆きの年
僕たちは知ってしまっている。愛が終わるということ、子供が奪われるということ、両親が自分の人生は無意味だったと感じながら死を迎えるということ…ッツァー賞作家が描く、滑稽で哀しい6つの物語。
刺があるなら刺があるなら
キャシーは37歳。兄クリスと2人の子供、ジョーリイとバートと共にサンフランシスコ近郊に住んでいる。ジョーリイは14歳、バートは9歳に成長していた。平隠な日々を送っているかに見える家族。が、過去の忌わしい記憶で頭が混乱したバートの言動がしだいに変化しはじめた。黒いヴェールの老女と出遇った時を境に彼は狂暴化する。本書、ドーランギャンガー・サーガ第3作目の主人公は、ジョーリイとバートである。2人の眼と耳を通して物語は進行していく。
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