著者 : 中村明日美子
カメラマンの仁科は、雑誌の取材のため、ライターの原田と山深い神社を訪れた。が、篠突く雨が降る夕暮れ、携帯が繋がらない山道で迷い、おまけに原田は足を捻挫してしまう。ようやく古い民家に辿り着き、老婆の厚意で泊めてもらうことになったが…。仁科は、コゴロシムラと呼ばれるその村で、出口のない恐怖に晒される。
ヒトと僅かに異なる存在、妖人。SNSで妖人差別発言を繰り返していた男が殺された。遺体には、刃物で刻まれた謎のメッセージ。刑事の脇坂は、被害者と関わりのあった妖人団体を訪ね、沖縄へ飛ぶ。捜査線上に浮かんだ宗教法人では、17歳の美少女が“麒麟”として崇拝を受けていた。けれど洗足伊織は、妖人・麒麟の存在をきっぱり否定、彼女が洗脳されている可能性を示唆し…。クライマックス直前!大人気、妖人探偵小説第7弾。
ヒトと僅かに異なる存在、妖人。 美貌と毒舌の妖人茶道家・洗足伊織は、「家族」との平穏をなにより愛していた。 最近は《小豆とぎ》のマメが、食堂でボランティアを始め、心身ともに成長中だ。 そんな中、伊織を慕う甲藤が、ある女を連れて来た。 「私は《口裂け女》なんです」と嘆く彼女に、伊織は真実を告げる。 一方、食堂の関係者が殺され、マメに容疑が。 その陰に、伊織は不穏な気配を感じ……。 シリーズ第6弾、書き下ろし。
人間と、妖怪のDNAを受け継ぐ妖人が共存する世界。 妖人茶道家の洗足伊織は、家令で《管狐》の夷と、《小豆洗い》の美少年マメと慎ましく暮らしている。 しかし、伊織に執着する《鬼》の青目にマメが襲われたことから、伊織は青目に対する危機感を強めていた。 そんなある日、伊織のもとに、「妻子が妖人差別を受けている」と訴える《貘》属性の男・闇沼がやってくる。 伊織は闇沼を救うため、洗足家の庭でホームパーティーを開くことにするが・・・・・・。 天使のような美少年・マメの驚きの過去も明らかに。大人気妖人探偵小説第5弾。
都内に佇む茶室、妖奇庵。 美貌の主・洗足伊織はヒトとは僅かに違うDNAを持つ妖人であり、ある特別な能力を持っている。 一方、警視庁妖人対策本部(Y対)の刑事・脇坂は、不可思議な事件を耳にした。 聞き慣れない妖人属性を自称するふたりの女性が、同日、同じマンションで自殺を図ったというのだ。 その裏に潜んでいたのは、母と娘の複雑な愛情と憎しみであり……。 本当に怖いのは、人か、妖か。 人気作第4弾、文庫書き下ろし。 (妖奇庵の奇は王扁に奇)
美貌の青年茶道家・洗足伊織は、妖怪のDNAを持つ異質な存在。しかし明晰な頭脳と、不思議な力を持つがゆえに、警察に頼られて、妖怪がらみの事件に巻きこまれることに。茶道家探偵、鮮烈に登場。