著者 : 中江裕司
さんかく山のマジルーさんかく山のマジルー
『ナビィの恋』『ホテル・ハイビスカス』で知られる中江裕司監督の最新映画『真夏の夜の夢』の原点を描いた書き下ろし。精霊(キジムン)マジルーが400年以上の時を超えて、世界中を飛び周り、なんとシェイクスピアとも出会ってしまう!精霊と人間が織り成す奇想天外物語。
恋しくて恋しくて
高校生になった加那子は、幼なじみの栄順と再会。加那子の兄・セイリョウの「バンドやるどー」の一声で、太陽が照りつける牛小屋での練習が始まった。栄順が歌、マコトがギター、セイリョウがドラムで、加那子のパートは、恥ずかしがり屋でうまく歌えない栄順を励ますこと…「ずっと歌った方がいいさ、栄順の歌で幸せになる人がいるから」。四歳のときに「うた」を探しに奄美大島に行ったきり音沙汰のない父・セイイチと共に母・澄子がつくったバー“インタリュード”と、おばぁの美容室を手伝いながら、栄順との恋を育んでいく加那子。バンドには同級生の浩がキーボードに加わり、東京行きをかけたバンド大会で優勝を勝ち取るも、その夜セイリョウに思わぬ運命が降りかかる-。みんなの東京デビューの夢は?そして、ふたりの不器用な恋の行方は?ひとを恋しく想うきもちを知って、ひとつ大人になった加那子は、ある決意を秘めていた…。映画では語られることのなかった「セイイチと澄子の恋」を併録した中江監督初の書き下ろし小説。
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