著者 : 中田春彌
許可なく野蛮人にケタンを教えたというテンピに対する汚名をそそぐため、480キロを走破したクォートたちは、ついにヘルトへと到着した。「剣の木の道」の学校長であり、テンピの師匠でもあるシェヒンは、クォートにケタンを学ぶ資格があるかどうかは学校の入学試験に合格するかどうかで判断するという。不合格ならテンピは追放されてしまう。かくて、女傭兵ヴァシェットの指導のもと、クォートの凄絶なる修行が始まる!
アルヴェロン大公の命を受け、徴税人を襲う盗賊団を追って森林地帯へと分け入ったクォート一行。追跡人のマーテン、傭兵のデダンとヘスペ、そしてアデム人傭兵のテンピとともに、辛く困難な捜索活動を続けるが見つからない。だが捜索29日め、ついに盗賊団を発見した一行は、嵐の中その野営地を襲撃するがこちらは5人、相手は30人以上。絶望的な状況の中、盗賊団を殱滅すべく、クォートはその秘術を駆使して立ち向かう!
セヴェレンに到着し大公の宮廷になんなく入りこんだクォートは、病気に苦しむ大公の様子から、何者かが毒を盛っているのではないかと疑う。ペットの小鳥に大公の薬を飲ませることで、お抱えの秘術士コーディカスこそが、薬に毒を入れている犯人であることを証明した。毒殺の危機から救ったことで大公に重用されるようになったクォートは、さらに大公とラックレス家の美しい令嬢との婚約を成功させるべく奮闘するが…。
魔物にとりつかれた傭兵による惨劇から一夜明けた翌朝、道の石亭では、クォートが紀伝家に大学での日々を再び語りはじめた。鯨場でランプを造り、酒場でリュートを奏で、必死で学費を稼ぐクォート。だがそんな努力も、宿敵アンブローズの陥穽により、すべてがふいになるところだった。試験の直前、考えることすべてを口に出さずにはいられなくなる秘薬を飲まされてしまったが…人気沸騰の大河ファンタジイ第2部開幕!