著者 : 中谷航太郎
警視庁監察係の新海真人は、首席監察官の秋月雅子に命じられ、科捜研の七尾と麻薬取締官の江口との会合に出向いた。なぜ、真人が呼び出されたのか。先月、成田税関で逮捕された大学生が持っていたドラッグが、真人の妹を死に追いやった薬物と酷似しているというのだ。真人は、妹の仇として追い求めていた黒幕への手がかりをついに見つけたのかー。だが、捜査線上に浮かびあがったのは、意外にも警視庁OBの大物政治家だった。
新宿署の組織犯罪対策課の刑事・宗谷弘樹が拳銃で殺害された。暴力団関係者による犯行が予想されるなか、内部告発により宗谷と新宿署長の来宮の黒い噂が浮び上がってきた。警務部人事一課監察係の新海真人は、先輩係員の神倉とともに、宗谷の周辺の捜査に乗り出す。彼の勤務した警察署をあたるうち、立川署で宗谷に苛められて退職した警官がいることが判明。その男・長渕を訪ねた2人は、意外な事実を知ることになる。
警視庁高井戸警察署の警察官・新海真人は、唯一の家族といってもいい妹を事故で喪った。妹の死因には、現場に居合わせた大学生の友人たちに薬物を飲まされた疑いが持たれていた。だが、彼らが罪に問われることはなく、復讐心を疑われた真人は、その時から密かに監察にマークされるようになる。一方、監視対象の真人にただならぬ関心を寄せる、警視庁監察官の秋月雅子。そして、2人の運命を繋ぐ、悪夢のような事件の幕が開く。
江戸町内で、旗本・綾瀬と家来の亡骸が発見された。当初、自害と思われたが、若き鉄炮磨同心・数馬は、現場に残された鉄炮の形状や状況から、ある疑念を抱く。それを聞いた小人目付・大崎が、真相を調べ始めると、全身を黒でかためた「黒子」に命を狙われるように…。果たして、“真の下手人”は誰か。そして、暗躍する黒子の目的は何なのか。息詰まる戦闘とどんでん返しの連続!迫真の時代小説。
小伝馬町で剣術道場の師範代を務める矢萩一郎太は、7年前、川に蹴り落とされた赤子を助けた。赤子を捨てた男の行方は知れず、一郎太と妻の郁江は、赤子を我が子として育てることに。月日は流れ、兵ノ介と名付けられた男の子は、剣の才を発揮し、一郎太を驚かせるほどに強くなっていく。血の繋がらぬ息子にはどんな秘密があるのか。兵ノ介の出自を知る男を追う一郎太。幼き剣の強さの秘密が明かされたとき、宿命の物語が幕を開ける。
流浪の生活を送っていた兵ノ介。念願かなって仇敵・高杉玄之丞と果たし合うが、実の父親だったことに衝撃を受け、世話になっていた伝兵衛の前から姿を消す。一方、江戸で酒問屋を営む伝兵衛が消息を追ったところ、中山道の倉賀野宿で博徒の用心棒の噂を掴む。剣が滅法強く人斬りに長けたその男は兵ノ介なのか?それとも血を分けた双子の兄なのか?運命の糸に導かれるように、兵ノ介に新たな試練が待ち受けるー。
「父を殺めた相手を知りたければ、わしを斃せ」果てなき旅を続けていた兵ノ介は、大川沿いの石置場で、天下に名を轟かせた武芸者・峯岸と対峙していた。非業の死を遂げた父の仇を討つために、10年間追い続けた相手。ついに念願が叶うその時…峯岸の口から出たのは、意外な言葉だったー。父の死には裏がある。真実を求め、戦いを挑む兵ノ介は、己も知らぬ宿命の星に引き寄せられていく。注目の著者が放つ、書き下ろし時代小説。
沈みゆく御用船に囚われた新三郎と魁たち。ロシアとの密貿易を企む豪商・安芸屋はロマノフ王室への貢物にするため、新三郎たちから一族の秘宝を奪い、恋しい沙伎も連れ去られる。追い詰められた彼らは必死で反撃するが、安芸屋はロシアの戦艦を呼び寄せ、殲滅にかかる。絶体絶命の窮地に現れた不思議な出会いと隠された力。熱いアクションで時代小説に挑んだ人気シリーズ完結篇!
山の一族と二手に別れた新三郎&魁は、秘宝「覇王のギヤマン」を手に入れた。しかし新たな追っ手の匂いを嗅ぎ付け、箱根の砦で迎え撃つ。その相手は浪人、商人、僧形の者らに加え、火縄を使わない謎の銃を持つ異形の巨人。一方、カムイの導きにより、北へ向かったオババと沙伎は仙台を過ぎ、さらに旅を続ける。物語は大団円を迎える直前の最終局面に入った!好評シリーズ第五弾。
祝言を目前に控えた植木屋の風介。しかし幸福は俄に奪われる。町で起きた辻斬りの下手人として捕らわれたのだ。無実であるにもかかわらず、牢で苛烈な仕打ちを受ける日々。絶望の最中、同心の三峰勝正は彼の濡れ衣を晴らすと言い、牢名主の男も諦めるなと言うが…。誰が風介を嵌めたのか!?何故彼なのか!?異色時代小説で好評を博す著者の書下ろし長編登場!