著者 : 丸木文華
日本酒好き男子VSワイン好き女子による川中島合戦、開幕?スマホ在住の「桜の神様」に振り回された女子の奮闘?日本酒好きな父の無茶振りに娘は?居酒屋で酔いつぶれた謎の女を拾った男は?女友達と飲んでいたらあれよあれよと扉が開いて?カタブツ女子が出逢った国文科教授は無類の酒好きで?人生の「酔」を凝縮した、日本酒をめぐる美味しい短編小説6編を収録。
日本有数のセレブ一族の家に生まれた葵は、お気に入りの女友達3人を誘って、避暑地に遊びに来ていた。モデルの結衣、小説家の莉子、スプリンターのひまり…容姿、ステータス、才能、どれをとっても宝石のような輝きを放つ美少女たち。避暑地の夜の帳が下り、完全な闇に包まれた4人は、「誰にも打ち明けていない秘密の話」を順番に打ち明けることとなったのだが!?
売れない小説家・裏雅が「真珠姫」と呼び、ひそかに観察を続けているのは、彼を「雅兄様」と慕う伯爵令嬢の茉莉子。一見おっとりとして可愛らしい茉莉子だが、雅は彼女の秘められた特性に興味を禁じ得ない。茉莉子はある日、「本業の小説のほうはさっぱりだが推理力には定評のある」雅のもとに、女学校で噂になっている不可思議な「幽霊」の話をしに来るのだが…?
時は大正。妖力を持つ一族に生まれた華族令嬢の香澄は、古の鬼神悪路王を蘇らせ、朧と名付けて使役鬼としている。ある時、同級生の初江に誘われてチャリネ(サーカス)を見に行った二人は、不思議な術を使う男・花月と出会う。自我を失くしたように花月に付き従うチャリネの踊り子たち。さらに初江も花月に心を奪われて…。人の心に巣食う鬼たちのあやかし事件簿。
時は大正。坂之上伯爵家の令嬢・香澄は、退屈な日常にうんざりしていた。そこへ現れたのは、代々祀ってきた悪路王。香澄は彼に朧という名を与えることで、主従関係を結んでしまった。少年の姿をした朧は、世の中にはびこる鬼を喰らって力を得るという。腹をすかせた朧のために、香澄は街へ出かけてみたのだが…?煌びやかな華族世界を舞台に描く、あやかし事件簿!
明治の末。幼少の頃に実父を失い、以来、父の同期生だった紀田財閥二代目の清一に育てられてきた徹雄。可憐な美貌、そして類稀な画の才能を開花させた徹雄は十七歳を目前にしたある日、生まれて初めて自分の意思…画家を志したいということを義父、清一に告げる。だが、それは息子に執着する清一の怒りに触れ、獰猛な獣と化した義父に犯されてしまう。娼婦の如く抱かれる日々が続き、やがて…。禁忌滴る官能の折檻。
人気俳優の弟、涼司の撮影に同行した高校教師の悠ー実の兄弟でありながら、身体を繋げている二人。長い間、憎しみに縛られ傷つけあってきた彼らだが、互いの想いを知り、その関係は変わった。今ではどんな時でも共にあろうと決意した…溺れるままに…。だが、撮影現場である南の島のバカンスクラブで、偶然にも悠の昔の教え子だというモデルの青年、保科と再会し…。スリリングな色に濡れる背徳愛書き下ろし。
生真面目な生活を送る高校教師、悠のもとに転がり込んできた疎ましい人物…それは、若手俳優の黒崎祥こと弟の涼司だ。中学時代から芸能界に入り、今では“抱かれたい男ナンバーワン”として人気の涼司。だが二人には獣じみた過去が…5年前、力ずくで涼司に嬲られたあの夜…。兄を貶め征服する弟…その存在に怯え囚われる兄。そこにあるのは憎しみ、執着それとも…?歪んだ禁忌なる究極愛書き下ろし。