小説むすび | 著者 : 丸本聡明

著者 : 丸本聡明

物的証拠(上)物的証拠(上)

バーテンダーからサンフランシスコの地方検事補に復帰したディズマス・ハーディは、捕獲されてきた鮫の腹から食いちぎられた手首が出てきたのを目にする。ヒスイの指輪をはめた男の手だった。その後、海岸に手首のない男の死体が打ち上げられ、身元はシリコン・ヴァレーの実業家で大富豪のオーエン・ナッシュと判明。2発の銃弾を陰部の上と胸に浴びていた。ハーディは売春、盗難、麻薬所持などの些末事件の処理から、新聞の一面を飾った殺人事件を担当できると張り切る。が、被害者の愛人で元高級娼婦の日系女性メイ・シンが容疑者として逮捕され、事件がスキャンダラスな様相を帯びるとともに、主役の座を野心的な女性検事補プリョスに奪われる。しかも、情報リークの濡れ衣を着せられ、検事局を首になる。ところが、事件は意外な発展を見せ、検察側の敗北、そして思いがけない第二の容疑者の登場。ハーディは、殺人犯として逮捕された元義父-公平さを尊敬されてきた判事だが、メイ・シンと関係があった-の弁護を引き受け、自分を追いやった宿敵の女性検事補と正面から対決することになる。

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