著者 : 丹地陽子
デビュー20周年! ファン待望の上下巻シリーズ、完結巻! 「ハナ少年」の正体を知った一人(かずと)は 自分たちが夢見た幸せを叶えるため、 彼ともう一度生きていくことを決意する。 しかし彼らの道程にはいくつもの困難があった。 様々な人間と接する中で それぞれ違った「正しさ」と衝突し、懊悩するふたり。 お互いが求める幸福にも齟齬を感じ始め、 離れていきそうになる心を繋ぎとめながら、現実とむきあい続ける。 そして一人が持つ「消す力」の更なる側面も明らかになり、 しかも、その力を持つ者は一人だけではないと気づいて……。 護る者を得て再び人生へ歩みだした男と、 夜の闇をも照らす光り輝く少年の、 花々が咲きほこる極彩色の愛の未来はーー。
その夜、会社員の須賀一人が自宅アパートへ帰りつくと、ドアの前に見知らぬ少年が蹲っていた。彼は、一年前に亡くなった、一人の飼い猫のハナだと名乗る。不審に思いながらも突き放すことができず、「ハナ少年」と同居生活を始める一人。祖父母とハナしか知らない記憶をなぜか語る少年は、やがて一人の孤独な生活と心に変化をもたらしていく。しかし一人には孤独に生きる理由があった。それは自分の手が、「消えろ」と願ったものを消す力を持っていることだった。償いの人生を生きる男と、猫だと自称する光り輝く少年の、花々が咲きほこる極彩色の愛の行方はー。
江戸時代中期、十五万石を超える富裕な石久藩。鳥羽新吾は上士の息子でありながら、藩校から郷校「薫風館」に転学、自由な気風を謳歌していた。その「薫風館」で陰謀が起きる。かつての学友たちが斬殺され、その真相を知った学友だった瀬島が自害。中老である彼の父も罷職となった。真実を知るはずの新吾の父は、事件後何事もなかったかのように妾宅に住み、そして二年が過ぎようとしていた。新吾は元服を迎え、親友の栄太は江戸へ遊学し同じく同輩の弘太郎には嫁取りの話が来ている。ゆっくりと時が進んでいたある日、弘太郎の近所で太刀傷の死体を見たと証言した隠居の老人が事故死する。同時に、弘太郎の許嫁の八千代が不自然に新吾の姓「鳥羽」に対し戦く。そして、突然栄太が謎の理由で帰郷する。かつての陰謀から、再び陰嵐の気配がわき起こる。最も熱い「青春時代小説」! 序 一 年月 二 雷雲 三 風紋 四 風を受ける 五 逆風の中を 六 風雲 七 遥かに遠く 八 日に映えて 九 色なき風に 十 一葉の覚悟
江戸時代中期、十五万石を超える富裕な石久藩。上士の息子でありながら、鳥羽新吾は藩校から郷校「薫風館」に転学する。母からは強く反対されたが、毎日仲間たちと切磋琢磨しつつ青春を謳歌していた。かつて通った藩校は家格で全ての順列が決まる息苦しい場所だった。ある日、気の強い母を厭い落合町の妾の家に暮らす父が久しぶりに家に戻ってきた。新吾と二人きりになると「薫風館」を探る間者になれと新吾に命じる。「薫風館」の教授陣の中に、藩主の暗殺に関わる陰謀があるという。それは新吾の仲間たちまでも巻き込む嵐の前触れだった! プロローグ 甲子園 一 夏風 二 蒼嵐 三 疾風 四 風巻 五 風雪 風雪(承前) 六 風音 七 凪 八 勝負 九 凱風 十 烈風 十一 風の彼方に 風の彼方に(承前) 十二 風に向かう エピローグ 甲子園
吹奏楽の”甲子園”--普門館を目指す穂村チカと上条ハルタ。弱小吹奏楽部で奮闘する彼らに、勝負の夏が訪れた!! 謎解きも盛りだくさんの、青春ミステリ決定版。ハルチカシリーズ第3弾!
サッカーを通して迷い、傷つき、悩み、友情を深め、成長していく遼介たち桜ヶ丘FCメンバーの小学校生活最後の1年と、彼らを支えるコーチや家族の思いをリアルに描く、熱くてせつない青春スポーツ小説!