著者 : 五十嵐洋
人口のほとんどが女性で占められているオヴァロンの惑星に、フラグメント船とともに着陸した“ファラオ”の男性乗員たちは、思いもよらぬ攻撃をうけていた。結婚相手を求めるオヴァロンの惑星の女性たちが、あの手、この手で男性乗員を誘惑しつづけるのだ。いっぽう、レジナルド・ブルは、もうすぐ帰還するはずの“ソル”のために、宇宙船の燃料製造施設を作ろうと考え、オヴァロンの惑星の執政官と交渉を開始するが…。
ヨルショル霧状星雲のヨル・ベータ星系を調査するべく派遣された旧ミュータントのベティ・タウフリーは、とんでもない窮地に陥っていた。人類にたいして叛乱を企てているマルティ・サイボーグ、ムサイの発明したモジュール放射プロジェクターのせいで、ベティは意識の搬送体であるムサイの肉体を自由に使えなくなったのだ。ヨル・ベータ星系のムサイの状況に不審をいだいたアトランは、艦隊180隻の派遣を決意するが…。
自分たちの裏切りがばれてしまったと誤解した三体のケロスカー、スプリンクとツァルトレクとプラゲイは、惑星ロルフスにあるラール人基地から逃げだした。もしこの三体の脱走が露見すれば、たいへんなことになる。ホトレノル=タアクが、ケロスカーの不審な行動に気づいてしまうと、ラール人を滅亡に導くためのローダンの80年計画も実行できなくなってしまうのだ。しかも、三体はロルフスの原住種族に追跡されていた…。
グッキーは、惑星ケルノトの警戒厳重な要塞カルミノンス=クロルから闇のスペシャリスト12名とともに逃げだしたものの、惑星からの脱出には失敗してしまった。闇のスペシャリストの脱走を知ったゼロ守護者は、惑星ケルノトを攻撃するための艦隊派遣を決めた。一方、ローダンは、グッキーたちを救出するべく、マルティミュータントのダライモク・ロルヴィクと副官タッチャー・ア・ハイヌたちをケルノトに送りこんだが…。
ラール人が仕立てた、にせものの“マルコ・ポーロ”は、アトランが用意していた欺瞞惑星オルクシィを破壊してしまった。アトラン率いるNEIの本拠惑星のポジションを知る“事情通”が、ラール人をオルクシィに案内したにちがいない。アトランとラス・ツバイの搭乗する“ソルセル=2”は、にせ“マルコ・ポーロ”を撃破すべく、ヨルショル霧状星雲に向かった。だが、そこには、思いもよらぬ存在が待ち受けていたのだ。