著者 : 井上悠宇
不実在探偵の推理不実在探偵の推理
「彼女は実在してる。存在が不確かなだけで、ずっと僕の傍にいるんだ」大学生の菊理現が思い出のダイスに触れた途端、長い黒髪に白いワンピースの美しい女性が見えるようになった。現にしか見えない彼女はしかし、ずば抜けた推理力を持つ名探偵。藍の花を握り締めて死んだ女性、宗教施設で血を流す大きな眼球のオブジェ。二人に降りかかるすべての謎は解けている。あとは、言葉を持たない「不実在探偵の推理」を推理するだけ。水平思考を巡らせて、「ハイ」か「イイエ」の答えで真実にたどり着け。
誰も死なないミステリーを君に 2誰も死なないミステリーを君に 2
人が死ぬ予兆がみえてしまう志緒のため、僕は、その死を防いできた。高校生の時から大学生になった今もー志緒の友人、獅加観飛鳥に“死線”が現われた。幼少期に故郷で“鬼”に追われて神隠しにあった経験を持つという飛鳥には、いま莫大な財産の相続話が。そして獅加観家の一族ー言動不可解な芸術家、軽薄な私立探偵、狐面をかぶる医者にも死線が…僕は死を止めるため、策略を発動する。優しい嘘をつきながら…
誰も死なないミステリーを君に誰も死なないミステリーを君に
自殺、他殺、事故死など、寿命以外の“死”が見える志緒。彼女が悲しまぬよう、そんな死を回避させるのが僕の役目だった。ある日、志緒は秀桜高校文芸部の卒業生4人に同時に“死”の予兆を見た。“そして誰もいなくならない”ため、僕は4人を無人島に招待、安全なクローズド・サークルをつくった。だが、そこに高校時代の墜死事件が影を投げかけ、一人、また一人とーこれは、二人にしかできない優しい世界の救い方。
PREV1NEXT