著者 : 倉野憲比古
弔い月の下にて弔い月の下にて
壱岐沖の孤島に、隠れ切支丹の末裔である富豪が築いた異形の館「淆亂“バベル”館」。心理学専攻の学生・夷戸ら三人は、観光のつもりが館の使用人を名乗る男たちに囚われる。館に集っていたのは、人気劇団の役者たちとゴシップ記者。この館の主は、彼らにとって因縁深い、失踪した伝説の俳優だと言うのだがー。
墓地裏の家墓地裏の家
東京・雑司ヶ谷霊園の裏に教会を構える神霊壽血教。教主・印南尊血の様子がおかしいとの相談を受け、心理学を学ぶ大学院生・夷戸武比古は教会を訪れる。あらゆる用事を放り出して、ひたすら観覧車に見入る教主に戸惑う夷戸、やがて教主の娘が密室で変死を遂げ、血塗られた惨劇の幕が切っておとされる。吸血神・ストリゴイを崇拝する奇怪な教団に巣食う邪悪な殺意に、心理学的推理で挑む夷戸。総本部教会でくり返される自殺の連鎖。だがー探偵小説とB級ホラー映画をこよなく愛する新鋭が贈る傑作心理学ミステリー。
スノウブラインドスノウブラインド
ドイツ現代史の権威、ホーエンハイム教授の邸宅・蝙蝠館に招待されたゼミ生たち。住民たちが先祖返りして獣同然の姿になったと伝えられる狗神窪にひっそりと佇むこの館が吹雪に降り込められた夜、恐怖の殺人劇が幕を開けるー。心理学やナチズム、中世の魔女裁判などにまつわる豊富な知識と、鮮やかな仕掛けでミステリ・シーンに殴り込みをかける驚異の新人のデビュー作。
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