著者 : 公手成幸
人類初の恒星間宇宙船が惑星キャンドルに到着したとき、人々は空飛ぶカヌーを操るインディアンと遭遇した。13世紀に光速飛行術を見出したインディアンの一群がカヌーで地球を離れ、この星に移住を果たしていたのだ。数百年後この星を訪れた新聞記者ウィルは平和共存を続けているはずのインディアンと入植者との間に深刻な対立があることを知る。異星の地で、開拓時代そのままの激烈な戦いが、いま始まろうとしていた。
インディアンの光速飛行法の秘密が隠された“クレイ”の所有権をめぐって政情不安におちいった惑星キャンドル。クレイ埋蔵地を保有する娘ジェイニイは、入植者とインディアンとの間で窮地に立たされる。ウィルは彼女を救うため友人でインディアンの指導者でもあるトーマスとともにカヌーで地球に旅立ったが、そこで彼らを待っていたものは…?90年代SF期待の新人が、奇想天外な設定のもとに描く迫真のSFドラマ。
「マミイィ!」助けを求める叫びが、惑星アルタイル中に響きわたった。これほどの思念を送れるとは、たいへんな超常能力の持ち主に違いない。惑星政府は発信者の捜索に全力をあげた。そうして救出されたのは、大規模な地滑りで壊滅した鉱山基地でただひとり生き残った少女ローワンだった。卓抜した才能に恵まれた彼女が、超常能力者として、女性として成長してゆくさまを、人気女性作家が情熱あふれる筆致で描く意欲作。
ボビー・ドラゴン。ヴェトナム戦の伝説的名パイロット。だが脱走兵の汚名を着せられ、いまはこの世に存在しない人間として軍の極秘任務に携わっている。そんなある日、イランがイラクに核攻撃を仕掛けた。ただちにアメリカ軍はイランに侵攻したが、ミグ編隊の過烈な迎撃に遭い、地上軍は孤立無援の状況に陥ってしまった。しかも周辺アラブ諸国は協力を拒み、航空支援ができない。彼らを救援しなければ。ボビーに白羽の矢が立った。