著者 : 内田康夫
古代日本では、琥珀が岩手県久慈から奈良の都まで運ばれていた。その「琥珀の道」をたどったキャラバン隊のメンバーの相次ぐ変死。久慈から単身上京していたOL大岡滝子は早稲田面影橋で通り魔に襲われ、本井博正は久慈海岸で投信自殺を遂げた…かに見えた。残された写真に写る謎の人物とは?古代の琥珀の知られざる秘密とは?“名探偵”浅見光彦が探るうちに事件は思わぬ方向へ。内田康夫、長編第50作を飾る渾身の書き下ろしミステリー。
浅見光彦は母親の雪江のお伴で兵庫県の城崎温泉を訪れた。彼には但馬に残る土蜘蛛伝説の取材もあり、郷土史家の安里家を訪ねたが孫の利昌が応対に出て、何の成果も得られない。翌日光彦は、レンタカーで母親と出石へ行く途中、かつて金の先物取引の詐欺事件で有名な保全投資協会の幽霊ビルで、3人目の死者が出た事件に遭遇する。警察では3人共自殺としたが、彼の勘では他殺である。そこで第1の死者、水野を調べ始めた光彦は、出石焼の作陶家の娘、矢沢まゆ子と再会-思いがけず但島伝説と殺人事件を繋ぐ接点に…。
長いあいだ埋もれていた「横山大観」の若き日の傑作が発見された。そのニュースに美大の助手・茂木は愕然とする。数ヵ月前、雪深い秋田の商人宿で、行きずりの男が茂木に見せた絵がそこにあった…。次第に明らかになる12年前の殺人事件の真相は?名探偵・岡部和雄警部の推理が美術界の暗部に迫る。
青葉繁る杜の都ー仙台。そこで偶然見つけた妻の写真。一緒に写っていたのは、夫の知らない謎の男…。そして、その謎の男の死を知った夫は、妻の過去に疑問を持ち始めるー。一方、父の跡を継ぎ、青葉城址の伊達政宗像の前で観光客の写真を撮る美人カメラマン池野真理子。彼女は、父の事故死に不審を抱いていた。この二つの事件が一つに重なりあった時…。事件は意外な方向へ展開していく。東京ー仙台間を舞台にくりひろげられる、トラベルミステリー。
自宅マンションで音楽教室講師・杉山博之の変死体が発見された。驚くべきことに、青森県下北半島恐山の麓に住む杉山の祖母サキは「博之は北から来る何かによって殺される…。」とその死を予言していた。サキは「予知」という特殊能力をもつイタコであったのだ。続いて、同音楽教室の経営者・高川伸男も「北」に怯えながら謎の死を遂げる。この連続変死事件に絡む「北から来る」何かとは?そして「北」とは一体どこなのか?生前の高川からの手紙で真相究明の依頼を受けていたルポライター浅見光彦の「北」への探偵行が始まった-。
美貌のヴァイオリニスト千恵子の父・本沢は、M-商事の平凡なサラリーマンだった。秘密の留守番電話に〈ブツはニュータバルからタカチホへ。運んだのはノベウン。受けとったのは市川〉という謎のテープを残して、本沢は突然失踪した。その後、父の知り合いと称する男が、高千穂で不審死を逐げた。そしてまた、新たな殺人が…。神話と伝説の国、高千穂に穏された巨大な秘密!千恵子は、私立探偵浅見の助けを借り、高千穂へと向かうが。気鋭内田康夫が、綿密な取材をもとに満を持して放つ、サスペンス・ミステリー。
梅雨の訪れと共に駒津家に届けられる奇妙な葉書。裏には筆書きでただ一文字『願』と書かれていた。4通目の葉書が配達されたあと、56歳になる駒津は何者かに殺された。一方、大学時代の親友4人組の1人三輪も同じ葉書を送られた後、佐渡で死体となって発見された。佐渡の「願」という地名に由来する奇妙な連続殺人。「願の少女」の正体は?事件の根は30数年前に佐渡で起った出来事に!警視庁幹部を兄に持つ、魅惑のキャラクター、浅見光彦が大活躍する本格伝奇推理。
素人画家・美保子の「赤い雲」の絵を買おうとした老人が殺され、その絵も消えた!!絵のモデルとなった瀬戸内海に浮かぶ寿島は、原発誘致にからみ村が二分され、大きく揺れ動いていた。そしてまた新たな殺人が…。莫大な利権をめぐって、平家落人の島を舞台にくりひろげられる骨肉の争い。絵に秘められた謎と殺人犯人を追って、私立探偵浅見の名推理が冴える!!長編伝説推理。
〈うつそみの人にあるわれや明日よりは、二上山を弟世とわが見む〉大津皇子の死を悲しみ、姉の大伯皇女が詠んだ歌に隠された意外な事実!?大東広告の社員で24歳になる村久は、清楚で慎しみ深い美人恵津子に憧れ、いつしか二人は恋仲になった。だがある日突然、恵美子は村久の前から姿を消したー。巨大企業エイブルックにまつわる黒い噂。謎の連続殺人。恵津子の出生の秘密。事件をとく鍵は、恵津子が村久に託した一枚の絵に!!東京、奈良・飛鳥を舞台に、古代と現代をロマンの糸で結ぶ、伝奇ミステリー。
銀座のホステス萌子は、三年間で一億五千万になる仕事という言葉に誘われ、偽装結婚をするが、周囲の男たちが次々と不審死を遂げ……シリーズ一のヒロイン、佐和が登場する代表作。