著者 : 加藤有希子
オーバーラップオーバーラップ
男は砂漠で葉書を書いた、そこからすべてがはじまるーアメリカの大学院で美術史を学ぶ千尋と、並行世界を旅する“飛行機乗り”の語りが交差する表題作のほか、憎しみの連鎖を断ち切るためのウィットに富んだ短編「ブラックホールさんの今日この日」を収録。
黒でも白でもないものは黒でも白でもないものは
2056年、太陽の異常活動“シンギュラリティ”により、人類は色覚と生殖能力を失った。激変する自然環境、破綻する経済、「色覚の回復」を唱える陰謀者たち…。色彩を失った人びとは、黒と白の世界のなかで、やがて訪れる終焉を静かに待ち続けていた。滅びゆく世界のなかで、人びとが見出した究極の幸せとは…。
クラウドジャーニークラウドジャーニー
2020年春、ひそやかに迫り来る新型コロナウイルスの脅威。変容する世界のなかで、美術史研究者の真希は乳がんと宣告される。病の意味を問い、乳房を失うことの意味を問いながら、真希は自らの生のあり方を見出していく…。かつて受けた予言や、美術作品の「美」に翻弄されながらも、真摯に生と向き合う夫婦を描いた、著者渾身の一冊。
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