著者 : 北野寿美枝
1958年、反共産主義を標榜するマッカーシーが大統領となったアメリカ。ロス市警の刑事ベイカーは、映画監督ジョン・ヒューストンと新進記者ウォルター・クロンカイトの殺人事件現場に呼び出される。その死者の手の中のメモが彼の悪夢の過去を呼び覚ましていく
復帰したばかりのシーハン刑事を待っていたのは首吊り死体。残されていた顔料の痕跡から殺人と見抜いた彼女は、被害者の夫の行方を追う。だが別件の死体からも同じ痕跡が発見された。連続殺人なのか? 狡猾きわまる姿なき連続殺人者との対決を描く警察小説
1975年。東ベルリンの〈壁〉に接した墓地で少女の死体が発見された。事件の捜査を命じられた刑事警察の女性班長カーリン・ミュラー中尉は、知らず知らずのうちに国家の闇に迫っていく。冷戦時代の東ドイツを舞台にし、高く評価された歴史ミステリの傑作登場!
〈英国推理作家協会賞最優秀新人賞受賞〉犯行を予告し、次々と斧で市民を襲う殺人鬼〈アックスマン〉。現場には謎のタロット・カードが。警部補マイクルは凶行を食い止めることが出来るのか?
犯罪歴のある患者を収容する重警備精神科医療施設で不審死が相次ぐ。施設では亡霊が出没するという噂が広まるが……新たなるサスペンスの女王がエドガー賞受賞作『喪失』に続いて放つ戦慄の傑作
新・競馬シリーズ、ここにスタート!ファイナンシャル・アドバイザーで元競馬騎手であるフォクストンの同僚が、競馬場で彼のすぐ横にいたとき射殺された。どうやらインターネットギャンブルに手を染めているらしい。事件を追ううち、彼の事務所内の巨額投資に不正がありそうなことがわかる。大金をすぐに用意するよう迫ってきた騎手の顧客が何者かに襲われ、投資について相談してきた大佐は殺された。そしてフォクストンにも暗殺者の魔の手がのびるーー。息をもつかせぬ展開に人生や家族の悲哀も織り交ぜ、競馬シリーズは健在であることを示した父亡きあとの第一作。
元騎手で調査員のシッド・ハレーは、上院議員のエンストーン卿から持ち馬の八百長疑惑に関する調査を依頼された。しかしその直後八百長への関与を疑われた騎手が死体となって発見され、殺人容疑で逮捕された調教師も証拠不十分で釈放されたあと、不可解な自殺を遂げてしまう。真相究明に奔走するハレーだが、謎の刺客が最愛の恋人マリーナを襲う。不屈の男シッド・ハレーを四たび主役に迎えて、競馬シリーズ待望の再開。
障害レースの最高峰、チェルトナム・ゴールド・カップが行なわれる当日、元騎手の調査員シッド・ハレーは競馬場を訪れ、建設会社を経営する上院議員ジョニイ・エンストーン卿から仕事を依頼された。持ち馬が八百長に利用されている疑いがあるので、調べてほしいというのだ。彼は調教師のビル・バートンと騎手のヒュー・ウォーカーが怪しいという。ハレーは依頼を引き受けるが、その直後、競馬場の片隅でウォーカーの射殺死体が発見された。この日、ウォーカーとバートンが罵り合っているのを多くの人が目撃していた。そしてウォーカーは前夜、ハレーの留守番電話にメッセージを残していた。レースで八百長をするよう何者かに脅されていたらしく、「言うことをきかなければ殺す」と言われたという。やがてハレーは思わぬ経緯でウォーカーの父親から息子を殺した犯人を突き止めてほしいとの依頼を受ける。さらに知人から、ギャンブル法改正によって発生する不正についての調査も任される。こうしてハレーは三つの依頼を抱えることになった。そんな折、警察はバートンをウォーカー殺害容疑と八百長の疑いで逮捕する。彼は証拠不十分で釈放されるが、やがて事件が起きた。そのバートンが自宅で拳銃自殺をしたというのだ。どうしても彼が自殺したとは思えないハレーは、調査を進めていく。だが、卑劣な敵は、ハレーの最大の弱点である恋人のマリーナに照準を定め、魔手を伸ばしてきた!『大穴』『利腕』『敵手』に続き、不屈の男シッド・ハレー四たび登場!巨匠が六年の沈黙を破って放つ待望の競馬シリーズ最新作。
80歳を過ぎた今、70年前の夏の出来事を思い出すー11歳のぼくは暗い森に迷い込んだ。そこで出会ったのは伝説の怪物“ゴート・マン”。必死に逃げて河岸に辿りついたけれど、そこにも悪夢の光景が。体じゅうを切り裂かれた、黒人女性の全裸死体が木にぶらさがっていたんだ。ぼくは親には黙って殺人鬼の正体を調べようとするけど…恐怖と立ち向かう少年の日々を描き出す、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
大恐慌に見舞われた1930年代、テキサス東部の製材所のある小さな町キャンプ・ラプチャー。大竜巻が襲ったある日、入り日のような赤毛のサンセット・ジョーンズは、治安官をつとめる夫ピートの暴力に耐えきれず、彼を射殺した。町に衝撃が走るが、彼女は正当防衛を主張した。やがて新たな治安官を決める集会が開かれ、ピートの母で町の有力者マリリンの強力な推薦で、サンセットは治安官に就任する。ピートの業務日誌を読み始めたサンセットは、ひとつの事件に注意を引かれた。それは、ある黒人の畑から甕に入った胎児の死体が見つかったというものだった。そして重大な知らせが入った。胎児が埋められていた畑から、今度は女性の死体が発見されたのだ。その女性は腹部を大きく切り裂かれていた。彼女は妊娠していた形跡があり、先に発見された胎児は彼女の子供らしいことが判明する。サンセットは殺人の容疑が自分にもかけられる中、二人の助手とともに調査を続けるが、件の黒人の畑をめぐる邪悪な陰謀が浮かび上がってくる。その陰謀は、サンセットの運命を大きく変えるものになるが…。MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞最優秀長篇賞受賞作『ボトムズ』の鬼才が真骨頂を発揮したサスペンス最新作。