著者 : 原宏一
勇猛果敢で力持ち、こうと決めたら猪突猛進。 モンゴル出身の元力士が、でっかい体で繊細に、 蕎麦を打ちつつトラブル解決! 所属部屋のちゃんこ長に甘んじていたモンゴル出身の力士万太郎は、引退して一念発起。蕎麦打ちの修業を重ね、妻の希子とともに新橋に店を開いた。店には毎日、万太郎を慕って多くの客が訪れる。ところがある日の開店前、厨房に万太郎がいない。希子が慌てて探しにいくと、万太郎は馴染みのコの字酒場で女将からある相談を受けていた。 困った人を助けずにはいられない、熱血漢・万太郎の奮闘記!
自分のお店を持たず、間借り営業で全国を転々としながら鮨を握る雅代。ふだんは、のほほんとほっこり笑顔を絶やさない丸顔のおばさんだが、迷える若者や道を間違えそうな料理人を前にするとさりげなく助けの手を差しのべる。そんな雅代の握る鮨と職人としての在り方に胃袋も心も握られてしまう人情鮨小説、待望の第二弾。
舞台はシニアのための高級マンション。 ひと癖もふた癖もある令和の高齢者と 彼らに振り回される若者世代との確執を 奇想小説の名手が鋭く描いた人間図鑑 虚言、妄信、陰謀論ーー セレブなシニアの真実はどこに 「このままではレジデンスがスラム化する!」 東京郊外の一等地にそびえ立つ高級分譲マンション 『レジデンス悠々』。 最上階ともなれば分譲価格は二億円を下らない、 セレブだけが入居できる終の棲家である。 住人は何ひとつ不満のない老後を謳歌している……はずだった。 「スポーツは悪だ! 陰謀だ!」と声高に叫ぶ元教師。 「皆さんと滑稽エンタメ映画を撮りたいの」 と言い出す往年の女流監督。 「あたしの人生、リボーンするのよ!」と爆買いをやめない有閑マダム……。 奇想天外な放言に振り回される、珠玉の5編
いつもニコニコほっこりさせる笑顔の普通のおばさんなのに、鮨を握らせたら銀座の一流職人も顔負けの腕前。自分の店は持たず、間借りで鮨屋を開く雅代。そんな彼女のところには悩める若者や困りごとが舞い込んでくるーー。鮨だけではなく、人の心と胃袋も握る雅代さんの魅力あふれるハートウォーミング鮨小説。
会いにいこう。 味の思い出でつながっている、なつかしいあの人に。 コロナ禍で、みんな苦しい。 でも、おいしい料理は人をきっと笑顔にさせる。 キッチンカーで北へ南へ、調理屋佳代のおもてなしの旅! 「食事って、生きる糧だけじゃなく、心の糧でもあるものね」 厨房車に手書きの木札一枚下げて、日本全国ふらりふらりと、移動調理屋“佳代のキッチン”を営む佳代。 ところが新型コロナウイルスの蔓延で、営業休止を余儀なくされた。 そんな折、佳代は函館の食堂『自由海亭』閉店の報を耳にする。調理屋名物“魚介めし”に深いゆかりがある食堂だ。 佳代が探し続けている両親との懸け橋になってくれた恩もある。居ても立ってもいられなくなった佳代は、厨房車に飛び乗って函館へ。こうして、コロナに喘ぐ人々を訪ねる、佳代の長い旅が始まったーー。
誇り高き宿無しにして食の達人のヤッさんがオモニとともに誰にも何も告げずに突如姿を消した。一番弟子のタカオは二人の行方を捜しはじめるが……。二人の身に何が起きたのか(「ヤスの本懐」)。シリーズ6弾目にして、完結編。涙なしには読めない表題作を含め計3編を収録。
豊洲への市場移転を前に築地へ帰ってきたヤッさん。夫婦で蕎麦屋を開店したはずのタカオとミサキの間には溝が生じ、跡継ぎになるため苦労している卵焼き屋の香津子のもとには海外放浪帰りの青年がやってきた。ヤッさんと深い縁のオモニが営む韓国食堂にも忍び寄る影が。みんなのトラブルを解決できるのは、この男しかいない!
才能のかけらもない素人娘を天才歌姫に仕立て上げ、前代未聞の熱狂を巻き起こすー代表が金を持ち逃げし、消滅した『劇団ゆうまぐれ』。自暴自棄の劇団員たちは、舞台の脚本をリアルな世界で実行して、金儲けを企んだ。船橋駅前で歌っていた女の子をスカウトし、天才シンガー“姫花”を売り出すフェイクプロジェクトが始動する。音楽担当の亮太は素人娘を天才に見せかける作業に苦心していたが、最初の路上ライブで彼女が見せたパフォーマンスに言葉を失ったー。船橋から香港へ、姫花はスターの階段を昇っていくが…。
何をやっても中途半端な青年・ショータ。料理人を志してイタリアに渡ったものの、夢破れて市場で盗みに手を染める始末。そんな彼が出会ったのは「誇り高き宿無し」にして食の達人・ヤッさんだった。ヤッさんに“保護観察”を告げられ、再出発を誓ったショータは、料理人にとって最も大切なものを探し求めるーーますます痛快なユーモア人情小説の傑作!
世界的な「食のガイドブック」の元「格付け人」、牧村紗英。 会社を辞め、飲食店の格付け事務所を立ち上げた彼女は、 日仏ハーフの娘を持つシングルマザーでもある。 主な仕事内容は、人気店の覆面調査。 元麻布の高級フレンチ、 池袋の行列ができるラーメン店、 白浜の料理旅館。 けれど絶品料理が自慢のどの店にも「裏の顔」が……。 絶対的な味覚と調査能力で、彼女がつける「星」の数は? 食小説の手練れによる新ヒロイン登場!
超痛快シリーズ第3弾! 本物の蕎麦職人を目指す妻・ミサキは、農家に住み込みで働くことになった。取り残された恰好の夫・タカオは、自らも修業し直すことを決め、ヤッさんの助手として再び築地の人々のために奔走する! 迫る市場移転の日、次々に襲うトラブル。みんなの頼みはやっぱり「誇り高き宿無し」にして食の達人・ヤッさんだ!
世界的なグルメガイドの元「格付け人」、牧村紗英。「絶対味覚」を持つ彼女は、独立して会社を立ち上げ、人気店を覆面調査し、「星をつける」仕事をしている。彼女の判断は、企業による対象店への投資を左右する重要なものだ。今回、彼女が調査するのは、カリスマ料理研究家、須賀ユウコが手がけるカジュアルフレンチ、「ユウコの厨房」。プレミア価格がついている幻の日本酒の蔵元、「酒蔵烏鵲」。高級鮨を手軽な値段で味わえると人気の大箱鮨店、「すし海将」。華やかな成功の陰にある嘘、そしてそこには常にある男の存在が…?
失踪した両親を捜すため、移動調理屋を始めた佳代。再会は叶わなかったが、旅先で縁を得た“松江のばあちゃん”から全国各地の港町に調理屋の支店を開いてと頼まれ、再びキッチンワゴンを走らせる。食文化の違いに悩む船橋のミャンマー人女性、尾道ではリストラされた父を心配する娘ー奮闘する人々が持ち込む食材で、佳代は彼らの心をほぐす最高の一皿を作れるか?
どんなに調理が難しい食材でも、心をほぐす一品に変えてみせます!失踪した両親を捜すため、持ち込まれた食材で料理を作る“移動調理屋”を始めた佳代。結局、両親には会えなかったが、貴重な出会いと別れを経験。やがて松江のばあちゃんとの出会いが、佳代を変えた。シングルマザーやお年寄りなど、苦労している人たちのために全国に支店を開いてほしいと言われたのだ。金沢の近江町市場前での営業を皮切りに、佐渡島のロングライド大会では“ズッキーニ麺ポモドーロ”、山形の芋煮会では“手打ち冷やしラーメン”などに挑戦しながら、その想いを実現するために、佳代を乗せたキッチンワゴンは今日もゆく!
愛する築地を飛びだした「誇り高き宿無し」にして食の達人・ヤッさん。シェフ志望の弟子を一人前にできるのか!?-何をやっても中途半端な青年・ショータ。料理人を志してイタリアに渡ったものの、夢破れて市場で盗みに手を染める始末。そんな彼にヤッさんは“保護観察”を告げた。再出発を誓ったショータは料理人にとって最も大切なものを探し求める!超痛快シリーズ最新作。
髭面の破天荒なオヤジ・伸太郎、通称髭太郎がぼろアパートで没頭するのはヴルスト(ソーセージ)作りだった!半端な生き様を改めるため受験勉強に励む勇人は、下の階に住む髭太郎にペースを乱され、挙げ句の果てに彼の作業を手伝う羽目となる。ところが徐々にその奥深さに引き込まれて…。目的に向かって突き進む二人の熱気とヴルストの魅力が迸る痛快青春小説!