著者 : 原田里美
韓国・ソウルで独立系書店「私的な書店」を運営している店主チョン・ジへさんが燃え尽き症候群に陥り、そこからの回復の過程を描いた一冊。 夢をかなえれば幸せになれると信じていたのに夢をかなえたあとに向き合う現実についてはだれも教えてくれなかった。幸せなのに不幸せ。 この矛盾した気持ちを救ってくれたのはBTSだった。 何かを好きになり、愛することで、自分自身の心が満たされて癒やされていく。 「好き」な気持ちを失ってしまったあなたに贈る、 30代で推し活をはじめたジヘさんからの愛のメッセージ。 Prologue 「好き」な気持ちを失くしたまま生きるあなたへ 1歩目 「好き」が人生の欠乏を満たしてくれました 人生は愛に導かれる 愛は私たちが探し求めた避難場所 「好き」との上手なつきあい方 熱烈に「好き」になることの贅沢 2歩目 「好き」な気持ちで自分を知ることができました 惨めな気持ちが私たちを育ててくれる 「好き」な気持ちにも倦怠感がある 自分の考古学者になる 知らなかったことを知って感動する センスの育成法 人生のBGM 3歩目 「好き」があれば自分を愛することができます 私たちが投げたメッセージボトル 本当の自分になりたい 音楽に寄りかかり、本にお世話になる日々 特別な友情 幸せを貯めましょう いつか終わりが来たとしても Epilogue あなたに生きる力をくれる愛は何ですか? SPECIAL THANKS TO
27歳の私は “毎日” 文章をメールで送り始めた。 学資ローン返済のために ひとりで始めた「日刊」連載プロジェクト。 恋人、家族、友人、文章教室、日々の運動。 愛すべき他人から発見した、私たちと“地続き”の話。 韓国の新星を日本初紹介。 みずみずしい随筆(エッセイ)の息吹。 ー - - - - 2018年、当時27歳だったイ・スラは、250万円の学資ローンを返済するために、毎日1本、文章を書いてメールで配信する連載プロジェクトを始めた。その名も「日刊イ・スラ」。 「誰からも依頼されずに文章を書きます。月・火・水・木・金曜日は連載して、週末は休みます。購読料は1カ月で1万ウォン(約千円)、20編送ります。1編が500ウォンなので、おでん一串よりは安いですが、それ以上に満足していただけるように努力します」 連載はたちまち反響を呼び、その半年分の文章をまとめた『日刊イ・スラ 随筆集』は600ページ近い分量にもかかわらずベストセラーになる(2018年の全国独立書店が選ぶ「今年の本」にも選出)。 書かれているのは、子供時代の淡い恋心、山登りでの祖父との喧嘩、恋人と誕生日に交わした言葉、文章教室での子供たちの作文、母が自分を妊娠したときの記憶、ヌードモデル時代の話……。「日記」のような形式でありながら、1本1本が独立した短いエッセイ。日常に転がっている愛とおかしみが、ときに文体を変えて、みずみずしく描き出される。 日本語版『日刊イ・スラ』は、イ・スラ初の散文集『日刊イ・スラ 随筆集』と、プロジェクトのシーズン2をまとめた『心身鍛錬』の2冊から、41編の文章を厳選してオリジナル版とした。韓国の新しい書き手を日本で初めて紹介する。 「何かについて気になり始めたら、私たちは動きだす。好奇心は愛の始まりだから」 ……(「手紙の主語」) 「あなたを身ごもったときのことを正確に記憶している、と母は言った」 ……(「懐胎」) 「逆立ちをしながら祖父のことを考えた。祖父もよく逆立ちをする」 ……(「あなたがいるから深いです」) 最善を尽くしたら私は絶対に転ばなかった。テウもそうだったはず。 ……(「滑って転ぶ練習」) 日本語版の読者のみなさんへ 今日の寝室 唯一無二 驚きの慰め 上品な関係 滑って転ぶ練習 懐胎 祖父 あなたの自慢〈上〉 あなたの自慢〈下〉 ウンイ ボキ 大言壮語 ハッピーアワー ひそやかに 服と舞台 麗水前夜 手紙の主語 U n e x p e c t e d M o n e y 逃げるは恥だが役に立つ〈上〉 逃げるは恥だが役に立つ〈中〉 逃げるは恥だが役に立つ〈下〉 水の中のあなた 耐えがたいセリフ 未完成の歯 わが家のマニュアル 産婦人科 取扱注意 夢取引き もうお兄さんはいない 気まずくなるのは怖くない ジャイアントウーマン 保証金という問題 あなたがいるから深いです 愛の無限反復 手にした人生 新しい私たち 作家とイベント 社長、いかがお過ごしですか 明るい引っ越し 明日の寝室 「日刊イ・スラ」はどのように拡張していくのか 訳者あとがき