著者 : 和香ちか子
唯一の肉親である祖父が心臓発作を起こしたという知らせを受け、メアリー・ジェーンはすぐに祖父のもとへ駆けつけた。祖父は彼女を待ち構えていて、オランダから呼び寄せたという男性、ファビアン・ファン・デル・ブロクを紹介して言った。「私が死んだら、ファビアンがおまえの後見人を務めてくれる」メアリー・ジェーンは驚きのあまり息をのんだ。私はもう二十二歳よ。なぜ後見人が必要なの?ファビアンは、見た目は満点の男性だけれど、ひどく傲慢で、まるでばかにしたように私を見ている。そんな男性が私生活に干渉してくるのは耐えられないわ!
素敵な恋のはじまりは、 甘いキスとロマンティックな誘惑ーー 素敵なドクター、ギリシア富豪、敏腕社長からの究極の求愛! 英国を代表する“至宝”の3作家、ベティ・ニールズ、サラ・モーガン、キャロル・モーティマーが綴る、3つの甘美な恋物語をお楽しみください。
継母に虐げられ続けて、耐えられず家を飛び出した孤児ベッキー。 雨の中で途方にくれていると、ロールスロイスに乗った 優雅な身のこなしの、見知らぬオランダ紳士が声をかけてきた。 医師でもある男爵ティーレーー彼は濡れそぼったベッキーを 連れ帰り、足の悪い母親の付き添いとして屋敷での滞在を許した。 生まれて初めて優しくされてどうしようもなく彼に惹かれていく ベッキー……。だが、ある日、ティーレが自分のことを、 「やせぎすのねずみみたいな娘に僕は魅力を感じない」 と話しているのをもれ聞いて、思わず涙ぐんでしまう。
冷たくされても、片思い。 胸が苦しいのに、片思い。 看護師のチャリティはオランダを旅行中、急病患者を助けた。 そこにたまたま居合わせた医師はどこか惹かれる男性で、 チャリティはのちのちまで彼のことを忘れられなかった。 とはいえ、名前も知らないその人とまた会えるはずもないけれど。 心にめばえた淡い恋をあきらめていたチャリティだったが、 仕事で訪れたオランダの病院で、思いがけずその男性ーー エフェラルド・ファン・テイレンと再会を果たす。 けれど、彼の態度はひどく無愛想で、そっけない。 また会いたいと夢にみるほど願っていたのは、私だけだったんだわ。 チャリティの心は曇った。それが、つらい片思いの始まりだった……。 本作は穏やかな作風で癒しをくれる大スター作家ベティ・ニールズの傑作の初再版です。ベティがお好きな方には、大きな愛で心を潤してくれる作家レベッカ・ウインターズや、優しさで包みこんでくれる涙の作家シャロン・サラもおすすめです。
婚約者にほかに女性がいると知って、サファーは病院を辞め、 専属看護師として、ある老男爵夫人の屋敷に勤めることにした。 ところが男爵家の嫡子、ロルフ・ファン・ドイレンの存在が、 すべてを忘れたい、傷ついたサファーの心を波立たせる。 冷たい態度で接する一方で、サファーを見つめる目が熱い。 真意がつかめないサファーは、その奇妙な誘惑に戸惑いつつも、 秀麗な貴公子ぶりの美貌の彼から、磁石のように目が離せない。 ある日、ロルフに思わせぶりな言葉を囁かれ、動揺した。 「僕には好きな人がいるが、その人には恋人がいる」とーー
セバスチャン・フィオルキスと結婚しろですって? アリージアは冷酷な祖父の言葉に耳を疑った。 私の愛する父を死に追いやったギリシア人実業家! その名を耳にすることさえつらいのに。 祖父はショックを受けているアリージアを無視して、 ある計画についてとうとうと語りだした。 政敵への復讐の駒として働きさえすれば、 報酬はたんまり支払ってやろうと言うのだ。 祖父は知っているの? 私が早急に大金を必要としていると。