著者 : 咲村観
重役奮闘日誌重役奮闘日誌
重役いうのも、ツライもんでっせ。いびられ、こき使われて三十年。大阪の商社の総務部長が肩書で、春闘に株主総会、ゴルフコンペまで、気ィの休まる暇もありません。エゴは上司に共通で、これにヒステリーまで加わると、下の者は堪まりません。念願の取締役の末席に就いて、二年首がつながったものの、その間に常務に昇格せんと会社に残れるかどうか…。ここだけの話、サラリーマン重役の本音、教えたげます。
三等管理職三等管理職
総合商社・伊藤物産大阪本社に勤める高山一平は総務課長に抜擢されて半年、主管者会議や重役会の準備で大忙し。しかも、上司のイビリで神経をすり減らす毎日。課長は三等管理職、部長は一等管理職、その隔たりは筆舌に尽しがたいのだ。同じ課長仲間と飲んでは上司のこきおろしに怪気炎を上げるのだが、何とも虚しい。ゴルフコンペで上司の鼻を明かさんと、一平は特訓を開始するのだが…。長篇企業小説。
小説小林一三(上)小説小林一三(上)
15歳を迎えた年、一三は自ら発心して上京、慶応義塾に入る。作家をこころざすがならず、卒業と同時に三井銀行に就職、だが、そこでの一三は落第サラリーマンでしかなかった。しかし、運命は自ら切り拓くもの、証券会社の支配人職へ勧誘されて彼は断乎決断する。華麗なる財界人への一三の第一歩であった。
小説小林一三(下)小説小林一三(下)
想像だにしなかった株価の大暴落は、証券会社支配人の夢を一三から奪いさった。だが、それがかえって好運だったのかも知れない。新たに企画された私鉄建設の話が彼の全途に洋々と開ける。私鉄、デパート、歌劇、映画と庶民の欲望を先取りしたカルチャー商法で“大阪急”を築いた男の明治魂を描く話題作。
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