著者 : 坂井星之
どうにかシンジケートを撃退したとはいうものの、メイの不運はまだまだ続く。豪華客船に拾われたまではよかったが、そこで会ったのが昔の女房。しかも凄腕の司令官になっていようとは。ただでさえ気まずいこの状況下で、狂暴化したデュークが異星の大使に怪我を負わせてしまい、メイの立場はますます微妙になってゆく…おなじみ悪運コンビが、今度は美女やエーリアンを向こうにまわして大暴れ。好調シリーズ第二弾。
広い宇宙に不運な男は数あれど、メイ船長は特別だった。短気な性格が災いしてか、儲け仕事はすべてフイ。相棒の副操縦士にも裏切られ、辺鄙な惑星にとり残される始末。このまま泣き寝入りしてたまるか!とばかりに酒場で出会った若者デュークを副操縦士に雇い入れ、一攫千金狙って再出発したはいいものの、これがさらなるトラブルニつながろうとは…!?ユーモアSF活劇〈エンジェルズ・ラック〉三部作、堂々の開幕。
無頼の宇宙船乗りヨアヒム・ボアズは、哲学者コロネーダーたちの手で身体改造された一種の超人だった。彼と機能的にリンクされた「船」とともに宇宙を渡るポアズの目的はただひとつ…。この宇宙は、定められた輪をたどるように、幾度も同じ時を繰り返してきた。その円環構造に楔を打ち込むこと。横溢するアイデアで読者を自在に翻弄する、鬼才のワイドスクリーン・バロック。
星界を征服し、あまたの植民星を築いた人類に、災厄がふりかかった。度重なるワープ航法が空間を歪ませ、時空から秩序が失われた結果、大半の植民星が孤立化を余儀なくされたのだ。地球文明と切り離された人々は、やがてみずからの出自も忘れていく…。そうした星の一つ惑星エキドナにひとりの旅人が訪れた。中世さながらの状態にとどまっているエキドナの住民にとって、惑星イガラから訪れた旅人フィオナが語る星の世界の物語は、想像を絶するものだった。そのおりもおり、エキドナに史上最大規模の戦乱が発生した。新鋭が描くSF叙事詩。
フィオナの目的は、自分たちの進んだ科学知識をエキドナにわけ与えて、文明を段階的に進化させ、人類の再統合のいしずえを築くことにあった。だが多くの都市国家に吹き荒れる戦乱と、複雑な階級制度の生み出す権謀術数の渦にまきこまれ、“進化の使者”としての使命達成は困難をきわめた。その反面で彼女は、名誉と誇りを重んじるこの星の文化に心を惹かれていく。そして、心から理解しあえる相手とめぐりあった彼女を、思わぬ陥穽が待ちかまえていた…。大型新人ウィリアムズが、進歩を求めてやまぬ人類の姿を描く雄渾のSFスペクトル巨篇。