著者 : 塩田剛
友猫友猫
「友 猫」「ペット 警 察」「ニッポンの血」の三部作。 【帯文より】 「今月いっぱいで契約解除させてもらいます」突然解雇を言い渡され、失意に落ち落ち込む主人公が、ひょんなことから出会った猫と会話ができるようになり、そこから繰り広げられる猫と人間の奇妙な友情を描く不思議な物語「友猫」他二編。 遊具が集まっている辺りの脇の植木の茂みに、何やら赤茶色っぽいものがもぞもぞと蠢いているのが見えていた。それを、ただ何となく惰性的に眺めていると、それは、徐々に大きくなってきた。さらに見続けると、そいつは、どうやら自分の方に近づいてくる様子だ。「ん、何だ、猫か」と、思わず呟いてしまったが、今は特に、相手にしてやろうというつもりはない。しかし、また幾度か目を擦っている間に、とうとうそいつは自分の際までやって来た。赤茶色の、俗にアカトラとかいう野良であろう。それが、自分の座っている隣にピョコンと乗っかってきて、「にゃあ」と、一声鳴いたのである。(『友猫」より)
白い夜のスノー・エンジェル白い夜のスノー・エンジェル
おれ、城西潤、18歳。渋谷学院大学一年生。実は好きな女の子がいて。名前は、真田慧子。同じ刑法クラスの子。明るくて気まぐれで、ミステリアス。だから恋人同士になりたいのに、彼女にはその気はないみたい。非常に残念ですけど。-でもクラスの仲間、慧子や詩織たちとスキーに行くことになって…。恋する男の子の心をのぞいてみたい女の子は必読!やさしく哀しく甘やかな青春物語。
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