著者 : 大原富枝
草を褥に 小説牧野富太郎草を褥に 小説牧野富太郎
「植物学の父」とその糟糠の妻を描く。小学校中退ながら、ほぼ独学で植物の研究に生涯を捧げ、輝かしい業績を残した牧野富太郎と、想像を絶する生活苦にもめげず夫を支えた妻・寿衛子の生涯を、富太郎と同郷の著者が丹念に描く。裕福な商家に生まれた富太郎は、父母を亡くしたにもかかわらず、研究と趣味のため湯水のように金を使ったので、たちまち困窮。なおも高利貸しから借金を重ね、借金取りに追い回されるのが常態となる。そんななかでも、寿衛子は13人の子ども(成長したのは7人)を育て上げ、待合の女将として働き、富太郎の夢を叶えようとした。夫婦の手紙を紐解きながら、「植物学の父」とその糟糠の妻の素顔に迫った名作。
建礼門院右京大夫建礼門院右京大夫
平安時代後期、建礼門院に仕えた右京大夫。栄華を極める平家の若き貴公子・資盛を愛し、年上の芸術家・隆信に愛され、絵巻のように華やかな日々を過ごした彼女には、悲歎と怨嗟の後半生が待っていた…。源平の合戦という歴史の波に翻弄された生涯を哀しくも鮮やかに描いた、女流文学の珠玉。
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