UCLAの哲学講師スティールの妻ステファニーが失踪した。原因は、聖ヴェロニカの屍衣。美術品鑑定家の彼女は、屍衣にからむ政治事件にまきこまれたのだ。懸命に妻の行方を探すスティールがようやく探りだしたところでは、背後で、ヴァチカンの転覆を企む組織が糸をひいているらしい。屍衣は、その鍵となるものなのだ。ヴァチカンが転覆すれば、西欧キリスト教世界は崩壊し、共産勢力の思うままになる。いまやその命運を握るのがステファニーなのだ。さまざまなおもわくをからめて、モサド、CIA、ポーランド国家保安委員会がせめぎあうポリティカル・スリラー!