著者 : 大石健太郎
葉蘭を窓辺に飾れ葉蘭を窓辺に飾れ
『1984年』『動物農場』で舌鋒鋭く共産主義・全体主義の 矛盾を語ってきたオーウェルが、書店員の経験を元に、 窓辺に飾る鉢植えの「葉蘭」と「貧困」という現代的テーマで書いた、 意外に知られていない自伝的作品の新訳!
二つの脳を持つ男二つの脳を持つ男
ろくでなしのミッキーにあの女を取られてたまるか!美しさが取り柄の売れない女優ネッタを巡って、激しい恋の鞘当てを演じるジョージ。不況下で失業した彼は自分の財産を彼女のためにつかい尽くすが、金が目的のネッタは彼を馬鹿にしつつも見かけの好意をちらつかせ、金蔓の彼を離そうとしない。そしてある時、彼女と二人きりになるチャンスをぶちこわしたネッタに、彼の愛と憎しみが爆発する。精神的なショックを受けて二つの人格の間を揺れ動く男がたどる煉獄への道をリアルに描いた心理スリラーの古典。グレアム・グリーン、ドリス・レッシング、ジュリアン・シモンズなどが絶賛した異色の名作。
空気をもとめて空気をもとめて
迫りくるファシズムと戦争の跫音を逃れ、故郷への道を急ぐ男の脳裡には、少年の日、秘密の池で見つけた巨大な魚の影がおどる。-しかし、何もかも〈ピカピカ、ツヤツヤ、スマート〉なこの時代に、変り果てた町で見たものは…一人の中年サラリーマンのささやかなオデッセイを通して鮮やかに描かれる、〈普通の人〉の生の軌跡。1930年代に早くも、20世紀末の状況を的確に予見していたオーウェルの傑作長篇小説。
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