著者 : 大谷羊太郎
横地邦生の婚約者、河内三枝子は、一人旅に出た水上温泉で他殺体で発見された。邦生は、三枝子の親友、桃谷順子とともに、犯人探しを始める。意外にも数多い男性関係の中に、一人の男が浮かび上がった。そして、彼女は過去、見知らぬ男女の殺人事件にも関係が!意外な結末を迎える、男と女の謎に挑む、著者渾身の書下ろし。
芸能評論家・町田卓二はある夜、誰も入れるはずのないマンションの自室に帰ると、吸いかけの葉巻きが灰皿で煙を上げていた。そして深夜、失踪中のアイドル歌手・古三沢涼子から、町田のせいで自殺する、という電話がかかってくる。ちょうどその頃、ある男が町田の名刺を持って殺されていた。町田は身に覚えのない殺人事件の容疑者にされてしまう。「密室と瞬間移動」。不可能犯罪に挑む本格ミステリー。
3年半の刑期を了え、出所した柴山は思わず目を疑った。かつて雑木林だった場所に中学校が新設され、強奪した2500万を埋めた欅の巨木のそばに住込みの警備員室があった。これが複雑怪奇な事件の発端となった。夜の校庭に忽然と現われた机文字〈9〉、机に彫られた〈怨〉の鏡文字、またその文字が記された脅迫状、さらに欅の下の殺人…。これら一連の事件は同一犯の仕業か、それともー。巧妙なトリックと画期的な手法で読者に挑戦する長編本格推理の傑作。
資産家、鍋原家の主、栄造はガンに冒され療養所で伏している。留守宅は、長女の左多子夫妻、長男の孝夫、高校生の謙二で守っている。ある朝、謙二の部屋で見知らぬ男が死んでいた。そして孝夫、謙二は行方不明…謙二のライダー仲間矢崎らは捜索に乗り出した。多彩な登場人物と巧妙なトリックで魅了する著者渾身の新境地。
推理作家志望の根岸登志彦は、7月15日午前3時アパートの一室で、50メートル先のメゾン・ガーネット401号室に住むアイドルスター、佐伯真弓が自室から墜落するのを目撃した。そして1カ月後、2カ月後の同日同時刻、同室から男性の第2、第3の墜落を目撃。悪霊の祟りか殺人か?彼は謎を究明すべく401号に移り住んで3カ月目の同日午前3時になって…。一方、スーパー浦上屋の売上金6千万円の強奪にまんまと成功したハチ、タカ、ヒョウの3人組を追及する警察と、根岸の推理が真相に迫るに及んで…。
作家の森川は17年前、たまたま見学した録音スタジオから歌手が失踪するという事件にでくわした。一方、退職刑事の持田には、やはり17年前、迷宮入りした老女殺害事件へのこだわりがあった。ある日、二人が住む町で放火があり、焼けた工場跡地から白骨死体が発見された。工場は17年前に建てられたという。年月の暗号に二人の追跡行が始まったが…。芸能界の裏面を描く長篇ミステリー。
テレビ視聴者2千万人に目撃されて、アイドル歌手の幡木すすむが生放送中に爆殺された。密室の照明室から、犯人はC地点という謎の言葉を残して消えた。ドル箱スターを失った赤根プロの女社長紀美子が自ら調査に乗り出した矢先、もう一人の所属スター大迫裕志が浜名湖畔のホテルで爆死した。空白の120秒間に起きた完全密室殺人であった…。本確推理復権の旗手が放つ、会心の長編本格推理!
高崎のリゾートホテルに潜伏していた強盗殺人犯が逮捕された。そして、犯人の隣りの部屋に宿泊していた櫛田という男が、藤岡市郊外で殺されていた。しかし櫛田には、死亡推定時刻に、部屋で電話をかけていたという厳然たる事実があった!?さらに櫛田は、4年前に起きた謎の焼死事件に関与していたことがわかる。一方、かつてこの焼死事件にかかわっていた推理作家の浅井は、櫛田の死を契機に再び事件の真相を追う。浮かび上がってきた奇怪な事実!そしてまた新たな殺人が…!?アッと驚くトリックの数々!作家生活20年間に蓄積した全てを注ぎこんだ、鬼才渾身の書下ろし長編本格推理小説の傑作!