著者 : 大鶴義丹
女優女優
「女優の子供って大変なんですか?想像もできない人生です」 小劇団を主宰する私は、昭和を代表する女優のひとり息子として生まれた。 大女優である実の母との葛藤を胸に、〈母への復讐の物語〉を演出する──。 テレビ、映画で活躍する著者による、10年ぶりの最新長編小説。 「小学校一年、初めての登校日、学校中から「ジョユー」と呼ばれたときに、自分を可愛がってくれているのは母ではなく「ジョユー」という生き物なのだと知った。幼い私にとっては酷く恐ろしいことであった。 その「ジョユー」という生き物と、私は初めて同じステージで対峙する」(本文より) 【著者略歴】 1968年4月東京都生まれ。日本大学芸術学部文芸学科中退。小説家、俳優、映画監督。学生時代に俳優としてデビュー後、1990年『スプラッシュ』で第14回すばる文学賞を受賞。1995年『となりのボブ・マーリィ』で映画監督としての活動も開始する。主な小説作品に『湾岸馬賊』『ずっと夜だったらいいのにね』『東京亜熱帯』『その役、あて書き』などがある。
ワイド・ショウワイド・ショウ
安易きわまる「ヤラセ」がきっかけだった。凶悪犯が実在することにスタッフはあわて、犯人に素手で立ち向かう黒ずくめの男の出現に、視聴者は過剰反応した。巷の英雄を追い求める女性レポーターが目的を遂げたとき、ワイドショウを揺さぶる大事件のカウントダウンが始まった!そのマイクはストーカーそのものだ!体験者でなければ書けない凄味が、本書にはある-。
FaceFace
相談したいことがある-実家から呼び出されて久々に玄関をくぐると、居間には見たこともない美人が両親の間に坐っていた…。美容整形で変貌した妹を引き鉄に、世界の歯車が少しずつねじれてゆく。鼻に埋め込まれたシリコンは、家族に一体何をしようと企んでいるのか。
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