著者 : 太田りべか
作家・松田青子さん推薦! 「「ゴール」も「正解」もない世界で、 どんな未来が待ち受けていようとも、 赤い靴を履き、けもの道を行く。 あらゆる「境界」の前で足掻く。 どうしたって痛い。 どうしたって傷つく。 それでも「自由」には抗えない。」 逃げ出してしまいたい。そう願っていたとき、ジャカルタで英語教師をしている「あなた」は悪魔から赤い靴を譲り受ける。冒険に連れて行ってくれるその赤い靴を履いて、どこへ行って何をするかはあなた次第。ニューヨークで成功を収めるのか、カリフォルニアで観光客になるのか、アムステルダムの歓楽街に迷い込むのか、決して止まることのない列車に乗るのか……物語の展開はあなたが決める、ゲームブック形式の長編。インドネシアのフェミニズムの旗手による移動と境界をめぐる傑作。英国PEN翻訳賞受賞作。 装幀:佐野裕哉 装画:Genie Ink
三月のある週末の夕暮れ時、デウィ・アユは死後二十一年にして墓場からよみがえったーー。 オランダ植民地時代末期にジャワ島南部の架空の港町ハリムンダに生まれた娼婦デウィ・アユとその一族を襲った悲劇。植民地統治、日本軍による占領、独立、政変と弾圧といった暴力の歴史を軸に、伝説、神話、寓話などが渦巻く奇想天外な大河小説。世界35カ国以上で刊行されたマジックリアリズム文学の傑作。 装幀:佐野裕哉 装画:菅野まり子 「インドネシアを語る小説を書きたいという衝動があった。サルマン・ラシュディが『真夜中の子供たち』でインドを語り、ギュンター・グラスが『ブリキの太鼓』でドイツを語ったように。」(著者インタビューより) 「疑いようもなく、今日のインドネシアで最も独創的で、想像力に富み、エレガントな小説家である」 --ベネディクト・アンダーソン(政治学者、『ニュー・レフト・レビュー』誌) 「ガブリエル・ガルシア?マルケスとサルマン・ラシュディの文学が生んだ子」--『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』