著者 : 奥村章子
舞台は、殺人技術を教えるマクマスターズ校。学校の場所は厳重に隠されており、学生たちでさえもその所在は知らない。さらに、マクマスターズ校に入学した学生が外界に戻る方法は二つしか存在しない。無事に卒業するか、死体となって運び出されるかだ......。
1994年夏、海辺のリゾート地で1歳の女の子が行方不明になった。母親のステラは悲しみを乗り越え、心理カウンセラーとして忙しく働いていた。そんな彼女の日常は、ある人物がクリニックを訪ねてきたことで崩壊する。イサベルと名乗るその大学生を一目見て、20年前に行方不明になった娘であると確信したのだ。夫や友人は誰も、娘が生きていたというステラの主張を信じようとしない。イサベルの正体を探るため、過去を調べはじめるステラ。やがて彼女は恐ろしい真相に出会う…母娘の絆をめぐる戦慄のサスペンス!
その部屋には、何かがいた…。強盗事件のトラウマに苦しむ夫婦は、気分転換にパリ旅行を計画する。節約のため、泊まるのは現地の住人の家だ。しかし、到着してみると、待っていたのは、どことなく不潔で陰気な部屋だった。不安をおぼえつつも、パリでの滞在を楽しもうとする二人を、やがて異変が襲う。どこかから聞こえる子供の泣き声。警告する老女ーはたして二人は生きて帰ることができるのか。戦慄のホラー登場!
ヴェネツィアの海岸で、喉を掻き切られ、舌を抜かれた男性の無残な遺体が見つかった。秘密結社が裏切り者を罰したのだろうか?イタリア憲兵隊の大尉カテリーナは捜査を始める。一方、世界的なSNS「カルニヴィア」の運営から手を引くことを発表したダニエーレは、激烈な反応に戸惑っていた。そこにアメリカに一時帰国していたイタリア駐留米軍の少尉ホリーが戻ってくる。同じく軍人だった父を陥れた陰謀を暴こうと、強く誓ってー。それぞれの闘いを選んだ三人を待つものとは?ベストセラー三部作、最終巻!
イタリア駐留米軍基地の建設現場で発見された人骨は、第二次世界大戦中に謎の失踪を遂げたパルチザンのものだった。当時何があったのか?その頃、憲兵隊の大尉カテリーナと米軍の情報将校ホリーは、米軍少佐の娘ミアの誘拐事件の捜査を始める。犯人は基地の建設反対を訴えて、ミアを責め苛む映像をインターネットで全世界に配信する。狡猾な犯人に苦慮するカテリーナとホリーはSNS「カルニヴィア」の創設者ダニエーレに協力を求めるが…。壮大なミステリ三部作、波瀾に満ちた一気読み必至の第二部が登場!
ヴェネツィアの教会の石段で、女性の死体が発見された。死体はカトリックの女性には許されない司祭の祭服を着て、腕には奇妙な模様のタトゥーがあった。憲兵隊の大尉カテリーナは捜査を開始する。その頃、米軍基地に赴任した少尉のホリーは、旧ユーゴ内戦時の記録の公開を求める女性と面会した。ホリーは記録を調べるが、やがてその女性の死を知る。カテリーナとホリーは協力し、ソーシャル・ネットワーク「カルニヴィア」の創設者ダニエーレとともに、二人の女性の死に潜む陰謀に迫る。壮大なミステリ三部作、開幕!
血を流して横たわる被害者。何者かに頭を撃ちぬかれたのだ。そのかたわらには三枚のコインが…二十年前にボストンを震撼させた連続殺人鬼が犯行を再開した。かつて捜査を担当したサニーの父、フィル・ランドル元警部のもとにも、犯人からと思われる人を食ったような手紙が届く。闇に消えた殺人鬼が舞い戻ったのか?父に協力するサニーは、一人の男に焦点を絞り、危険な賭けに挑む。息づまる対決を描くシリーズ最新作。
私立探偵のサニーに新たな仕事が舞いこんだ。依頼人は、ボストン近郊の島に住む映画プロデューサー。大リーグの球団を持つ彼は、女優のエリンを選手にして話題にしようとしていた。だが女性の大リーグ入りには反発もあるので彼女の護衛を頼むというのだ。サニーは引き受けるが、やがてエリンの付き人が殺された。彼女は警察署長ジェッシイ・ストーンと犯人を追う。ジェッシイとの夢の競演で描く注目作。文庫オリジナル。
署長室の壁一面を覆う、切断された女性の死体の写真。新人の女性警官パーマーは、惨殺事件の指揮を執る警察署長エドワーズの特異な捜査方法に心を奪われた。二人は現場の遺留品を鍵に捜査を進めるが、未公表の遺留品の存在を知る男が現われたため、事件の謎は急速に深まっていく…小さな町の複雑な人間関係が、戦慄の結末へ収斂していく出色のサスペンス。
二十代のブロンドの女性が悲鳴を上げ、必死に何かから逃れようとしている。どこにも逃げ場がないと悟ったその女性は、体を丸め両手で目をおおった-会計事務所に勤めるリザが突然見た鮮明な幻影。だが彼女は、その幻影が、ロサンゼルスの街を揺るがす猟奇連続殺人と関係があるとは思いもよらなかった。執拗な幻影に苦しむリザは、著書を通して知った精神科医レニックのもとを訪れ、そこで警察の捜査に協力しているレニックから、初めて幻影の意味を教えられた。驚いた彼女は彼とともに警察を訪れ、担当捜査官のタロン刑事を紹介される。二人の見ている前で被害者の遺品に手を触れたリザは、とたんに犯行シーンの生々しい映像に襲われた。これを機に、彼女は幻影を事件との関連で捉えるようになった。犯行に使われたナイフやラテックス製の手袋の隠し場所を次々と突きとめていき、ついには殺人犯の新たな動きと次の犠牲者を予知できるまでになった。彼女の幻視の中であらわになった次なる犠牲者の顔は…!?ブロンドの若い女性ばかりを狙う狡猾な猟奇殺人鬼。透視力を自覚し、捜査に関わっていくリザ。驚愕の結末まで一気に突き進む、サイコ・スリラー大作。
二十世紀初頭のパリ。一人の娼婦がナイフで刺し殺される事件が起き、精神科医ライスデンは警察の尋問を受けた。彼のもとには“モナ・リザの作者”と名乗る人物から謎めいた手紙も届いていた。身の潔白を証明するため、ライスデンは犯人探しに乗り出す。そんな折り、彼はいとこの女性から思わぬ依頼を受ける。それは、彼女の所有している印象派の大家マレの名画に贋作の疑いがあるので調べてほしいということだった。
問題の絵はマレの死後、未亡人が画商に持ち込んだものだった。果たしてその絵は本物なのか?偽物ならば、未亡人が画商へ贋作を渡したのか?画商が誰かの贋作を売りつけたのか?ピアニスト志望の恋人とともにライスデンは調査を続けるが、やがて次々と意外な事実が明らかになってくる。だがその頃、不気味な殺人犯が彼の恋人に迫っていた。華やかな時代のパリを舞台に、二転三転するプロットで描く芳醇なサスペンス。
24歳の平凡な娘ホリーは、ある日突然、莫大な遺産の相続人となった。だが、彼女が訪れた壮大な屋敷には、叔父夫婦のほかに謎めいた老人や敷地内をさまよう女性がおり、不気味な雰囲気が漂っていた。やがて、ホリーが亡き生母の人となりを探るうち、恐るべき事実が明らかに…『崖の家』の実力派が放つ、二転三転の展開、衝撃の結末のゴシック・サスペンス。
スペイン統治下の19世紀カリフォルニア。黒マスクのヒーロー、ゾロは、総督モンテロの圧政に苦しむ民衆を救ってきた。しかし独立前夜、モンテロは積年の怨みをはらすため、牧場主ディエゴ(=ゾロ)を投獄した!20年後、再びカリフォルニアに戻ってきたモンテロに復讐するため、ディエゴは脱獄し、ある若者に剣術を教えこむが…スピルバーグが、21世紀に語り継がれるべきヒーローを見事に甦らせた、話題の映画化作品。
血液学を研究する医師エリオットは、吸血鬼伝説が囁かれるインド国境で、身の毛もよだつ体験をしたあと帰英した。ロンドンで診療所を開いたが、悪夢は故国までも追ってきた。親友の一人が血を抜かれてテムズ川に浮かび、もう一人が失踪したのだ。友の行方を追うエリオットは劇場支配人ブラム・ストーカーと知りあい、二人はヴィクトリア朝ロンドンを跳梁する吸血鬼の正体をさぐっていく。注目のヴァンパイア奇譚第二弾。
もう、刑事には戻れない。酒に溺れ、仕事も家庭も失った元警部補ロレインは、酒を断つことを決意し、探偵事務所を開いた。だが経営は苦しく、生活もままならぬところへ大物の依頼が舞い込んだ。一年ほど前、ニューオーリンズで行方をくらませてしまった、往年の名女優の娘で大学生のアンナ・ルイーズを探しだしてくれというのだ。ロレインはアンナ・ルイーズの身辺を探るうち、やがて娘の家族の驚くべき秘密を知るが…。
必死に調査を続けるロレインは、やがてアンナ・ルイーズの母親が麻薬中毒であるとの情報を得る。また、父親は新事業の計画を進めており、資金繰りに困っていたらしい。娘は誘拐されたのか、それとも家族の秘密に関わる何者かに殺されたのか?新たな手がかりを求め、ロレインはニューオーリンズへ飛ぶ…酒への欲求に苦しみ、自分自身と闘いながら事件を追う女探偵。
不気味なヴァレンタイン・カードが送られてきた日から、人気ミステリ作家ジリアンは恐怖にさいなまれ始めた。彼女は私立探偵に調査を依頼するが、今度は身の毛もよだつプレゼントが届けられ、彼女が診察を受けていた精神分析医が惨殺された。やがて犯人が明らかになった時、さらなる恐怖が!『崖の家』の著者が練りに練ったプロットで描く傑作サスペンス。
カリブ海に浮かぶセント・トマス島。海を望む崖の上に、アダムとケイの夫妻とその娘が平穏に暮らす家があった。だが娘の世話係として謎めいた女性ダイアナが来た時から、不可解な事件が…次々と生まれる謎、予測のつかない展開。ロバート・B・パーカー、ローレンス・ブロック、ジョナサン・ケラーマン、ウェストレイクらが絶賛したサスペンス小説の傑作。
旅行作家のジェインは、不審な事故死をとげた有名女優セオの夫だった大学教授ロバートと結婚した。しかし、ある晩ナイトクラブでセオのものまねショーを見て以来、ロバートの様子がおかしくなった。セオそっくりのその〈演技者〉に心を奪われてしまったのだ。〈演技者〉は実は美貌の青年だった。ロバートとの関係がばれて、養ってもらっていたウェイトレスの部屋を追い出された彼は、次のパトロンとして女性カメラマンに接近していく。一方、夫の浮気を知ったジェインは離婚し、旅先で新たな恋人と知り合う。バレットという魅力的な男だった。ところが、思いもよらない罠がここにも待ち受けていた。〈演技者〉をめぐる男と女の間に張りめぐらされた運命の糸は、やがて女優セオの死の真相へと繋がっていく。エレガントで恐ろしいサスペンス。